第141章 私と別れて、なぜ彼を探しに行かないの

それに連座して、河井孝志も巻き込まれ、美色に目がくらんで、植物状態の患者を治療できると妄想したと言われていた。

しかも、ベッドで5、6年も昏睡状態にある植物人間だ。

田口優里が狂ったのに、河井孝志までも彼女に付き合って狂ってしまった。

人々が何を言おうと、田口優里は静かに自分のことをしていた。

河井孝志が外来診療をしているとき、彼女はついて行って診察を手伝った。

外来がないときは、病棟にいて、カルテを書いたり、資料を調べたりしていた。

東京病院は名が知れており、患者も多い。

河井孝志の外来は患者数が少なくなく、多くの人が評判を聞いてやってくる。

結局、国民の心の中では、東京は政治・経済・文化の中心であり、東京病院は当然最も優れた場所だと思われている。

田口優里はそのため、多くの難病や珍しい症例を見ることができた。