第189章 これは報い

「奥様は先ほど胸が痛くなり、強心丹を飲みました」と使用人が傍らで言った。

松下牧野は隣のソファに座り、「どうしても無理なら、療養院に少し滞在されてはいかがですか」と言った。

「療養院に行ったら、また出てこられるのかしら?あなたは私を老人ホームに送りたいんじゃなくて、私を追い出したいのね!」

松下牧野は無表情で彼女を見つめた。「お母さん、どんな人の言葉も信じるのに、なぜ実の息子の言葉だけは信じないんですか?」

「行くわ」と老婦人は立ち上がった。「病院へ行きましょう。あなたと晴彦の鑑定を私の目で見届けたいわ!」

「山口幸子はあなたが選んだお嬢様で、晴彦は彼女が産んだ子です。今、あなたは晴彦が私の息子ではないと疑っている。それがどういう意味か分かりますか?」

息子の冷たい表情を見て、老婦人はもごもごと何も言えなかった。