第220章 どうしてそんなに愚かなの

松下牧野は鈴木元男の二人が病院に来たことを知り、あれこれ考えて不安だったので、やって来た。

田口優里が先に出てきて、後ろにはその二人が続いていた。彼らが田口優里を見る目は、まるで飢えた狼が美食を見つけたかのようだった。

松下牧野は思わず眉をひそめた。「まだ帰ってないのか?」

鈴木元男は松下牧野を見るなり、心臓がドキッとして、思わず胸を張って顎を上げた。「叔父さん、僕は、僕はもう少し晴彦に付き添いたいんです。」

田口優里は傍らで思った、患者に付き添うって?

彼女にはそうは見えなかった。

二人は終始松下晴彦を一目も見ていなかった。

「帰りなさい」松下牧野は冷たく言った。

松下牧野は普段から人に冷淡で、若い世代に対してはいつも冷たい表情を浮かべていた。

彼は一度言ったことは二度と言わず、笑うこともなく、若い世代は皆彼を恐れていた。