第314章 お前はどういう態度だ

二人ともウェイターだと思っていたが、田村若晴がドアを開けてみると、見知らぬ若い男性で、服装からしてもウェイターではなかった。

田村若晴は直接尋ねた。「あなたは誰?誰を探しているの?」

鈴木元男は笑いながら口を開いた。「こんにちは、僕は田口優里の従兄です。優里はいますか?」

田口優里は声を聞いただけで、鈴木元男だとわかった。

田村若晴は心の中で思った。優里ちゃんの親戚なら私は全員知っているはずだけど、どこから従兄が出てきたの?知らないわ。

彼女は振り返って田口優里を見た。「知り合い?」

田村若晴がドアを塞いでいるので、鈴木元男は入れず、中を覗き込むしかなかった。「優里、僕だよ、鈴木元男だよ。」

田口優里は立ち上がり、ドアの側に歩み寄った。「何か用ですか?」

田村若晴は田口優里の表情を見て、丁寧さの中に距離感があり、眉目の間には不快感さえ漂っていることに気づき、すぐに彼女の態度を理解した。

彼女は守るような姿勢で田口優里の隣に立った。

鈴木元男は田口優里に向かって笑った。「優里ちゃん、さっきあなたが入ってくるのを見たんだ。なんて偶然だろう、うちの家族もここで食事をしているんだ。それでね、おじいちゃんがあなたを呼んでほしいって。」

さっき見た?

彼女たちはもう30分以上も中にいて、一度も外に出ていない。

田口優里がどう思おうと、田村若晴はこんな偶然を信じなかった。

田口優里も信じなかった。「申し訳ありませんが、友達と約束があるので、彼女を放っておくわけにはいきません。」

鈴木元男はすぐに田村若晴を見た。「あなたは優里の友達なんだから、理解してくれるよね?あちらには年配の方々がいて、優里にちょっと挨拶に来てほしいだけなんだ。」

田村若晴は腕を組み、一目で手強そうだとわかった。

彼女は微笑み、鈴木元男も微笑んだ。

そして、田村若晴は言った。「ごめんなさいね、理解できないわ。」

場所が許さなければ、鈴木元男の顔が一瞬にして険しくなるのを見て、田口優里は笑い出しそうになった。

鈴木元男は自分が丁寧に道理を説いたのだから、日本人の「笑顔には手を上げない」という性質からして、この件はほぼ問題ないだろうと思っていた。

しかし彼は、田村若晴が平気で「理解できない」と言うとは思ってもみなかった。