「もちろん必要だよ」松下牧野は言った。「私の孫は普通の子供と同じじゃないのか?他の子が持っているものは彼も持つべきだし、他の子が持っていないものも、彼は持つべきだ!」
田口優里は言った。「必ずしも男の孫とは限らないけど...」
「女の孫ならもっといいね」松下牧野は笑いながら言った。「全ての遊具をピンク色に塗り替えさせよう!」
メリーゴーラウンドがピンク色なら良いけど、海賊船やジェットコースターが...。
その光景を想像して、田口優里は少し言葉を失った。
野井北尾は目を輝かせた。「それはいいね!」
田口優里は急いで言った。「それはさておき。今日、遊園地に行くの?」
松下牧野は言った。「私たち二人で行くよ。北尾は会社に行かなきゃならない」
野井北尾:……
違う、そんなことない。
しかし松下牧野は彼に一瞥をくれた。
野井北尾も、松下牧野が田口優里と二人きりで過ごしたいのだと理解した。
野井北尾も仕方なく言った。「そうだ、会社に急用ができたから、行って処理してくる。終わったらすぐに二人を探しに行くよ」
彼も松下牧野に視線を送った。その意味は時間が少ないから、急いでくれということだった。
田口優里は二人の視線のやり取りに気づかず、ただ松下牧野が行きたいなら行こうと思った。
食事の後、松下牧野は自ら運転して、田口優里を乗せて遊園地へ向かった。
墨都最大の遊園地は、地元の遊園地ではあるが、国際的なトレンドに追随し、様々な施設が非常に高級感があった。
ここ数年でますます発展し、少なくとも田口優里の記憶の中の姿とは、すっかり違うものになっていた。
松下牧野と田口優里はゆっくりと遊園地を散歩した。
松下牧野は確かに遊園地を買収していた。
オーナーはもともと売るつもりはなかった。
冗談じゃない、これは墨都最大の遊園地で、毎年かなりの利益を上げているのだ。
しかし松下牧野が提示した金額が多く、他のプロジェクトでの協力も約束した。
そのオーナーはようやく売ることに同意した。
しかし今日は元旦の翌日で、休日だったため、多くの親が子供を連れて遊びに来ていた。