第391章 もう何の関係もない

十二時が近づくと、松下牧野が高額で招いた小児科の専門家が墨都に到着した。

赤ちゃんを診察した後、一通り説明し、皆に安心感を与えた。

赤ちゃんは早産で、心肺機能がやや不完全だったが、幸いにもそれまで母親の胎内で発育が良好だったため、40日早く生まれたとはいえ、大きな問題はなかった。

ただ、保育器の中でしばらく過ごす必要があり、総合評価が基準を満たしてから、普通の子供のように世界のすべてを感じることができるようになる。

田口優里も赤ちゃんを見に行った。

赤ちゃんを見た瞬間、田口優里は涙があふれた。

子供の母親として、彼女は最初に子供に会うことができなかった。

そして、彼女は子供を守ることもできなかった。

子供を早くこの世界に連れてきてしまった。

健康な体を与えることができなかった。

「優里ちゃん、泣かないで……」

野井北尾は彼女の体を心配していた。また、産後に涙を流すと、後々目に後遺症が残ると聞いていた。

彼は田口優里に泣くなと言いながら、自分の目は赤くなっていた。

目の前の二人、一人は彼が一生を共にすると決めた愛する人。

もう一人は彼が心臓さえ取り出してあげたいと思う娘。

彼女たちを持つことで、彼は世界のすべてを持っているように感じた。

田口優里は子供を見て、ようやく心が落ち着いた。

午後には食事ができるようになり、松下牧野はすぐに家に帰って彼女のために食事を作りに行った。

田村若晴は心配で、また来た。

そこで田口優里は野井北尾に言った：「家に帰って休んで、夜にまた来て。」

野井北尾は言った：「疲れていないよ。」

「あなたが倒れたら、私と娘の面倒を誰が見るの？」田口優里は言った：「お風呂に入って、服も着替えた方がいいわ。」

野井北尾は考えた後、同意した。

彼が去った後、田村若晴は尋ねた：「あなたたち……話し合ったの？」

田口優里は首を振った：「話してない。」

田村若晴はあっと声を上げた。

田口優里は言った：「話したくないの。前に言ったように、彼を許したくないけど、彼を手放すこともできない。今はこのままで、後で考えるわ。」

田村若晴も、おそらく今のところ、これが唯一の方法だと感じた。

「じゃあ何も考えずに、産後の養生に専念して。」田村若晴は言った：「赤ちゃんが無事で、私たちも安心したわ。」