第412章 お前は殺人犯だ

田口優里と亀山敦は一緒に階下へ降りた。

階下では、野井北尾と松下牧野はとても緊張していた。

義理の父と婿の二人は普段から交流が少なくなかった。

最初の接点はキッチンに限られていた。

この点について、松下牧野は野井北尾にまあまあ満足していた。

自分の地位を脇に置いて妻のために料理を作る成功した男性、松下牧野はかなり認めていた。

そして田口優里が彼と再会した時、野井北尾も助けてくれた。

だから二人の関係はずっと良好だった。

しかし今はあまり話をしていなかった。

松下牧野も知っていた、野井北尾は自分のために田口優里の前で取り成し、良い言葉をかけることができるということを。

しかし亀山敦に対しては、野井北尾自身も怖がっているようだった。

頼りにならない。

松下牧野は自分の運を天に任せるしかなかった。

階上から二人が降りてくると、野井北尾と松下牧野は立ち上がって迎えた。

田口優里は言った:「お父さん、小舅舅があなたと話したいそうよ。」

松下牧野は急いで答えた:「わかった。」

チャンスさえあれば良い、話すことすら許されないのが怖かった。

二人は書斎に入った。

野井北尾と田口優里は外のリビングで待っていた。

「小舅舅が怒りを収めてくれるかどうか分からないわ。」田口優里は少し心配していた。

野井北尾は言った:「舅舅とお母さんは仲が良かった、お母さんがあの時お腹にあなたがいたのに、お父さんが彼女と別れたことを知って、この怒り、すぐには収まらないだろう。」

「じゃあどうしよう?」田口優里はさらに心配になった:「彼らは...喧嘩したりしないよね?」

「安心して、喧嘩になってもお父さんが一方的に殴られるだけで、彼は反撃しないよ。」

「でも...」

野井北尾はさらに言った:「でも大抵は喧嘩にはならないだろう、小舅舅はあなたの気持ちを考慮するはずだから。」

「それならいいわ。」田口優里は言った:「彼らが喧嘩するのは見たくないから。」

野井北尾は実際には松下牧野のことを心配していなかった。

どう言っても、当時の松下牧野は人に陥れられ、苦しい立場にあったのだ。

そして彼は田口優里の父親で、血縁関係は変えられない。

しかし野井北尾は違った。