田村若晴は自分がまるで悪党の船に乗ってしまったと感じていた。
岡田羽一という男は、眼鏡をかけていると禁欲的な男神だった。
服を脱いだら狼に変身した。
それも電動式の狼だ。
疲れを知らないのだろうか?
毎日実験室に座っている人が、なぜこんなに体力があるのか?
田村若晴のような鍛え上げた体でさえ耐えられなかった。
喧嘩で負けたことがなく、この人生で誰にも頭を下げたことのない田村若晴が、彼の下で身をくねらせて許しを請うていた。
岡田羽一は体が本当に良く、これほど長い間激しく動いても疲れない。
余裕たっぷりに口を開いた:「これがあなたの求めていた狼犬?次は何?子犬?」
彼は彼女を押さえつけ、一瞬で表情を変え、田村若晴の耳にキスをして、声を低くして言った:「お姉さん、僕を可愛がって...」
田村若晴:……
完全に呆然としていた。
岡田羽一のこの様子は、まさに命取りだった。
狼にも子犬にもなれ、塩味にも甘味にもなる。
これに誰が耐えられるだろうか?
「こんな感じ?」彼は言いながら、動きも止めない:「お姉さん、満足?」
田村若晴はまた許しを請うしかなかった。
岡田羽一は最初は本当に怒っていた。
木村麗子が自分の生活に干渉することに腹を立てていた。
彼はマザコンではないが、木村麗子はいつも彼を細かく世話をしたがった。
これは以前は、何の問題もなかった。
岡田羽一は幼い頃から裕福な少爺として、豊かな生活を送ってきた。
彼が後に研究に専念するようになると、木村麗子は心配で、ある時期は二人の家政婦を雇って彼の世話をさせた。
岡田羽一はこういったことをあまり気にしない方だった。
彼も確かに他のことを心配する時間がなかった。
しかし彼は、木村麗子が彼の恋愛生活にまで干渉するとは思っていなかった。
さっき外に出て、木村麗子に電話をかけた時、彼の口調はかなり厳しかった。
木村麗子は電話で泣き出した。
岡田羽一は動じなかった:「母さん、僕のためを思ってくれているのはわかる。でも靴は履く人にしか、快適かどうかわからない。甘子と恋愛して生活するのは僕だし、一生を共にするのも僕だ。もし彼女が本当に僕と別れるなら、息子は独身を貫くつもりだ。母さんも知っているだろう、僕は言ったことは必ず実行する」
彼はそう言って電話を切った。