第78章 少し好きになってしまった

奥田晶子は車に乗り込んだばかりだった。

彼女はまた別の見知らぬ人からメッセージを受け取った。

先ほど写真を売った相手ではなく、別の人物からだ。

見知らぬ人、【奥田さん、1億で奥田梨子の孤児院の資料を買いたい】

奥田晶子は1億という金額を見て、少し驚き、少し嬉しくもあった。

この長女は外でいったいどれだけの敵を作ったのだろう。

本当に縁起が悪い。

奥田晶子、【2億なら、写真を1枚売ってもいい】

見知らぬ人、【写真1枚だけでは2億の価値はない、ネガはあるのか?】

奥田晶子は少し躊躇した後、考えて、【3億で、ネガを売る】

見知らぬ人、【取引成立】

河野剣は携帯を奥田梨子に見せた。「奥田さん。」

河野剣は奥田梨子のボディーガードの一人だった。

また、奥田梨子が事故に遭った後、畑野志雄が彼女のために新たに雇ったボディーガードでもあった。