第65章 ほのかな香水の香り

鈴村烈は奥田梨子を一瞥した。

そして山田青子からの電話に答えた。「あなたが畑野さんとうまくいっているなら、それでいいよ。じゃあ、もう切るね。」

彼は電話を切った。

奥田梨子は顎に手を当て、目を細めた。「10時半に会議があります。」

鈴村烈はうなずいた。この件については、山田青子が何も意見がないなら、彼も勝手に口を出すつもりはなかった。

男が心を落ち着かせないなら、あれを切っても無駄だ。

彼自身も男だが、まだ彼の心を落ち着かせる女性には出会っていない。

この二人の女性が気にしていないなら、それでいいだろう。

「まずコーヒーを一杯入れてきてくれ、ありがとう。」鈴村烈はオフィスに入った。

奥田梨子はコーヒーを入れに行った。彼女は目を伏せた。

山田青子のことについては、仕事が終わったら直接畑野志雄に聞くつもりだった。