第142章 彼女に近づく

奥田梨子は朝起きた。

鳥の巣のような髪のまま、最初にしたことは畑野志雄からの連絡がないか検索することだった。

今日は畑野さんからの連絡はなかった。

彼女は以前ソーガン国の人に連絡して助けを求めていたが、今日も何の知らせもなかった。

奥田梨子はしばらくぼんやりしていたが、起き上がって洗面した。

今日は身分証明書を再発行しに行かなければならない。

彼女は引き出しから戸籍謄本を取り出した。

引き出しを開けると、数枚のキャッシュカードが見えた。

そのうち2枚は彼女のもので、もう1枚は畑野志雄が彼女にくれたカードだった。

あの日彼女が誘拐されたとき、身につけていたカードはすべて失くしてしまったが、幸い、彼女はすべてのカードを持ち歩く習慣がなかった。

奥田梨子はあれこれと考えていた。