第169章 百日宴1

今夜の百日のお祝いに参加するのに、ウェディングドレスを着ていくわけにはいかない。

畑野志雄は以前から用意していたダイヤモンドのマーメイドドレスを彼女に着せようとした。

奥田梨子は今回非常に非協力的で、「あなたがこれを着るよう強制するなら、私は参加しない」と言った。

彼女は会場の注目を集める存在になる必要はなかった。

最終的に男性は妥協し、幸いにも彼はミントグリーンのドレスも別に用意していた。それを着ると全体的に清々しく美しく見えた。

ドレスのウエストのデザインは、まだそれほど大きくない妊婦のお腹を巧みに隠していた。

奥田梨子は鏡の前に立ち、ウェディングドレスの撮影の時に男性が首にかけてくれたネックレスを外そうと手を上げた。

「おかしいわ、どうして外れないの？」

彼女は振り向いてメイクアップアーティストにネックレスの留め具を開けるのを手伝ってもらおうとした。

メイクアップアーティストも試してみたが、壊してしまうのではないかと心配で慎重に扱った。彼女には弁償できないからだ。

メイクアップアーティストはつぶやいた、「奥田さん、私も開けられません」

奥田梨子は眉をひそめた。あの男は何をしているのか、こんなに開けにくいネックレスを彼女につけたなんて。

彼女はドレスの裾を持ち上げてメイクアップアーティストに感謝し、奥田梨子は外に出てあの男にネックレスを外してもらおうと思った。

男性は彼女がドレスの裾を持って出てくるのを見て、前に進み彼女のドレスを持ってあげた。

「畑野さん、首のネックレスを外すのを手伝ってください」

男性は彼女の耳元に近づいて、「このネックレスをつけた君はとても綺麗だし、このドレスとも相性がいい。パーティーが終わったら外してあげるよ」

彼が外してくれないなら、奥田梨子にはどうすることもできなかった。

確かにこのネックレスはドレスとよく合っていた。

ネックレスの中央には赤い宝石もあった。

畑野志雄の携帯の着信音が鳴った。彼方麗佳からの電話だった。パーティーの主催者として、彼は早めにパーティー会場へ行ってゲストをもてなす必要があった。

「梨ちゃん、私は先にパーティーに行かなければならない。君はここで休むか、私と一緒にパーティーに行くか、あちらにも休憩室があるよ」