第231章 協力する

金城夫人は奥田梨子に電話をかけた。「梨、今夜は家で食事しましょう。ついでに明日のパーティーについても話し合いましょう」

奥田梨子はソファに座って彼女の退勤を待っている畑野志雄を見て、畑野さんに申し訳なさそうな目を向けた。「わかりました、6時頃に行きます」

電話を切った後、奥田梨子はわざとまばたきしながら男性を見つめた。

畑野志雄は眉を少し上げた。「奥田さん、何も言わないでください。聞きたくありません」

彼らは今夜、二人でキャンドルライトディナーを食べる予定だった。

奥田梨子は立ち上がり、畑野志雄の前に歩み寄り、両手をソファの肘掛けに置いて、身を乗り出して彼に近づいた。

とても強気な女性が男性を誘う姿勢だった。

彼女は申し訳なさそうな笑顔を浮かべた。「金城様が今夜、明日のパーティーについて話し合いたいと言っているんです。畑野さん、ごめんなさいね」

畑野志雄の深い瞳に諦めの色が一瞬よぎったが、彼はまだ無表情のままだった。「せっかくキャンドルライトディナーを楽しみにしていたのに、僕は可哀想じゃないか？」

奥田梨子はうなずいた、確かに可哀想だ。

彼女は真剣に彼を見つめ、誠実な口調で言った。「本当に申し訳ない。せめて、今夜のイチャイチャタイムは、あなたに協力するわ」

畑野志雄は冷笑した。「...まさか、君がそんなに上手く条件交渉するとは思わなかったよ」

彼は片方の太ももを膝を立てて。

彼女の両脚の間に差し込んだ。

奥田梨子はそのまま腰を下ろし、元々冷たく美しかった顔が、急に甘えるように畑野志雄を見つめた。

畑野志雄は口元を緩め、優しい笑みを浮かべた。

「これは君が自分で言ったことだからね、今夜はしっかり僕に協力してくれよ」

奥田梨子は手で口を覆い、可愛らしく笑った後、手を下ろして再びクールなキャリアウーマンの表情に戻った。「まずは利子を払っておくわ」

彼女は人差し指で自分の赤い唇を指した。

畑野志雄は利子を受け取り、仕方なく先に帰ることにした。

一方、奥田梨子は口紅を塗り直し、時間になったら金城家へ向かった。

*

金城家の今夜の夕食には、金城夫妻、奥田梨子、そして金城源太がいた。

食事の後、金城信也は明日のパーティーについて話し始めた。