第248章 あなたを守る

「黛子を連れて南浜の果樹園に遊びに行くつもりです」奥田梨子は淡々と笑いながら言った。

金城夫人はそれを聞いて、一瞬固まった後、笑みを浮かべた。「そうなの、それはいいわね。果樹園は空気がきれいで子供にもいいわ。楽しんできてね、時間があったら今度私が彼女をサーカスに連れて行くわ」

奥田梨子はうなずいた。「はい、ありがとうございます」

金城夫人はさらに数言、奥田梨子に自分をよく大事にして、無理しないようにと言い添えてから、電話を金城信也に返した。

金城信也も心配そうに奥田梨子に体調に気をつけるよう言い、それから電話を切った。

金城夫人は少し憂鬱そうにため息をついた。「娘はまだ一度も私をママと呼んでくれないわ。私はもう彼女に近づこうと努力しているのに」

金城信也は彼女を慰めるしかなかった。「もう少し待ってみよう。しばらくしたら良くなるかもしれない」