第125章 見どころがある

篠田佳子の制作技術は明らかに未熟だった。

彼女は粘土を高く持ち上げ、下のろくろが速く回転していたため、少しコントロールを失うと、成形中の器が崩れてしまった。

観客は姉妹の間にこれほどの差があることに、少し戸惑いを感じているようだった。

おそらく前の二回の放送を見ていたため、皆は佳子に対する期待が高かったのだろう。しかし今日、驚きを与えたのは妹の方だった。

【佳子ちゃん、今日どうしたの?手芸が大好きなんじゃなかった?前に友達と陶芸教室に行ったところをよく撮られて、トレンド入りしたこともあったよね、覚えてる】

【篠田佳子が前に手芸好きって言ってたのはキャラ作りだったのかな(笑)あんまり上手くなさそう】

【たぶん久しぶりだから調子が出ないんじゃない?感覚を取り戻せてないんだよ、みんな焦らないで、佳子ちゃんに時間をあげようよ】

【わぁ、急に篠田佳織のことが好きになってきた、今のところ彼女が一番上手いんじゃない?】

【ついに姉が妹に劣るコーナーが来たね、監督、観客が何を見たいか分かってるね、裏で調査したの?このタスク満足だわ、馬か騾馬か、引っ張り出せば分かるってね】

佳子は成形中の器が崩れた瞬間、表情が凍りついた。複雑な感情が目元に浮かんでいた。

彼女は迷うことなく、恥ずかしそうに落ちた粘土を拾い上げ、再び練り直して成形を続けた。

佳子のミスは、佳織を含め皆の目に明らかだった。

彼女が何度もミスをする様子を見ても、佳織は一言の気遣いもなく、見なかったふりをして、自分の作品に集中していた。

長谷川一樹は最初こそつまずいたものの、動作が遅くても粘土をこねることができ、少しずつ進度を取り戻していた。

斎藤彩の粘土は最初うまくこねられておらず、後で店主に基準に達していないと指摘され、もう一度こね直した。

皆は徐々に調子を取り戻し、自分の作品を完成させていった。

佳織は花瓶を作り、成形後少し乾かしてから表面に模様を彫った。少し時間はかかったが、出来上がりはとても美しかった。

朝比奈初は小さめのカップを作った。彼女のアレンジで、カップの表面にドラえもんが彫られ、精巧で可愛らしく、釉薬をかけた後はさらに美しくなった。

出演者たちが初めて作った陶芸品は、焼成後に持ち帰ることができるため、皆制作過程で真剣に取り組んでいた。