第147章 至る所で恥をかく

姉妹二人は朝食を一緒に食べず、タスクをこなす時も特に交流がなかった。こんなに明らかな行動を見れば、何かあるのは明白だった。

朝比奈初は軽くため息をついた。「今まで我慢してきたってことは、かなりの不満が溜まっていたんでしょうね」

長谷川一樹は眉をひそめて反問した。「単に二人が長く一緒にいすぎて、番組側が裏で演出効果を狙って指示したということはないのか?」

彼らレギュラー出演者三組の中で、姉妹組は常に一心同体で助け合い、特に意見の相違や困難にも遭遇していなかった。視聴者の前では最も好印象のチームだったはずだ。

しかし、この姉妹の対立は何が原因なのか不明で、現場のゲストも配信を見ている視聴者も唖然としていた。

初:「監督のあの焦りつつも困惑している表情を見てごらんなさい。明らかに問題を解決しようとしているわ。これが演出効果だと思う?」

とにかく彼女は信じなかった。

特に昨夜、小屋で斎藤央と斎藤彩の会話を聞いたことを思い出す。知った時は少し驚いたが、後から考えると特に感じるものはなかった。

央は他人の前では穏やかだが、私的には尖酸な姉に対して別の一面を見せていた。水面下での駆け引きは互角だった。

篠田姉妹のことはよく理解できなかったが、初は佳織がカメラの前で感情を爆発させるほど溜め込んでいたなら、問題はかなり大きいのだろうと感じていた。

初と佳織はほとんど接点がなかったが、これだけ長く番組を一緒に撮ってきて、佳織の印象は寡黙で真面目というものだった。

そんな従順な人をここまで変えるには、きっと徐々に積み重なるプロセスがあったのだろう。

監督は人を説得するのが得意ではなく、現状もよく把握できていなかった。

しかし彼は先ほど牛肉麺をご馳走になったばかりで、二人が口論を始めた時、自分も無意識に巻き込まれた気がした。

九十九聴が監督が来ても何の効果もないのを見て、現場で監督以外唯一の男性として、再び自ら雰囲気を和らげようとした。

彼は少し顔を上げ、篠田佳子に言った。「食べたくないって言ってるんだから、もう聞かないでよ」

佳子の顔色は青くなったり白くなったりして、聴にそう言われて面目が立たなかった。

【九九弟かわいい、泣ける。ゲーマーの男子って皆ドライだと思ってた】