第181章 渡辺さんの奥さんが一番美しい

田中純希は堂々と渡辺さんの、ポスターのように美しい写真をたくさん撮り、それから渡辺健太と一緒に何枚か写真を撮った。どの写真も非常に満足のいくものだった。

近朱者赤というのだろうか、毎日イケメンの夫を見ているせいで、彼女は自分の容姿も右肩上がりになっていると感じていた。

純希はこっそり笑った。これは決して自惚れや錯覚ではない!

健太は彼女の頬をつまんだ。「奥さんはなぜいつも内緒で笑っているんだ?早く白状しなさい、何か悪いことを考えているのか?」

純希はそのままシートの上に横になり、彼の太ももに頭を乗せて、彼の凛々しくも妖艶な顔を手で弄びながら言った。「私ね、渡辺さんがこんなにハンサムだから、奥さんもきっと美人なんだろうなって考えてたの」

健太は大いに同意した。「そうだね、渡辺の奥さんは最も美しい」

「ハハハ」純希は自分の顔を覆い隠した。「私、ちょっと自信ないわ」

健太は彼女の手を取り除き、頭を下げて彼女の唇を噛んだ。「本気で言ってるんだ」

渡辺修一が遠くから走ってきた。「パパ、ママ、またキスしてる!」

純希は急いで健太を押しのけ、身を起こした。白くてふわふわした小さな生き物が彼女の胸に飛び込んできて、「ワンワン」と二回吠えた。

純希はダニーが疲れて舌を出しているのを見て、修一に尋ねた。「ダニーのトレーニング、強度が高すぎるんじゃない?ダニーこんなに疲れちゃってるよ!」

修一は情けない表情を浮かべた。「僕はダニーを犬のチャレンジ大会に出場させようと思ってたのに、全然やる気がないんだ!」

純希は面白そうに尋ねた。「どんな犬のチャレンジ大会?どんな種目があるの?」

修一は言った。「犬は5分以内にジャンプ、探索、一本橋渡り、水泳...などの種目をこなさないといけないんだ。ダニーはまだまだだよ!」

純希はダニーの頭を撫でた。「かわいそうな子ね、こんなに厳しい飼い主に出会っちゃって、これからもっと大変になるわね」

修一は座ってサンドイッチを二口かじった。「僕はいつもダニーに高級ドッグフードをあげてるんだから、もっと頑張るべきだよ」

純希は何度もうなずいた。「坊ちゃんの言う通りね、得るものがあれば努力しないとね」まるで小さな大人のようだ。