佐藤妙の率直さに田中純希は恥ずかしくなり、彼女は正直に言った。「私は確かに何も良いところがないわ。健二も自分でも私のどこが好きなのかはっきり言えないって言ってたし」
「いいえ」と佐藤妙は言った。「あなたは綺麗で優しくて、社長の隣に立つといつも優雅で自信に満ちている。二人はまるで運命の相手同士みたい。私とは違うわ...私は偶然千裕の近くにいるだけで、恥ずかしくて顔を上げられないほど。私はダメな人間だから、彼の目に映らないのも当然よね」
純希は言った。「妙、私はあなたが言うほど素晴らしくないし、あなたもそんなにダメじゃないわ。どうして他人の良いところは見つけられるのに、自分の良いところは見つけられないの?」
父親の言った通り、妙は孤児院で過ごした幼少期のせいで、心の中にとても強い劣等感を抱えていた。
今日も藤田宗也は彼女の出自について何度も強調していた...彼女はきっと一生、宗也の言った言葉を忘れられないだろう。
彼女がどれほど傷ついているか想像に難くない。
妙は言った。「もういいの。これからアメリカでちゃんと生きていくわ。純希、こんなに話を聞いてくれてありがとう。おやすみ」
純希もおやすみと言って、携帯を置いた。彼女の心は長い間落ち着かなかった。
妙はこれほど辛い思いをしながら何年も愛し続けてきたのに、宗也は本当に何も感じていないのだろうか?
ある高級住宅マンションの一室で。
男女が激しく交わっていた。若い女性は美しい体つきで、曲線美に恵まれていたが、彼女と絡み合う男性は腹が出て、顔中べたべたしていた。
女性は男の肥えた体を少しも気にしていないようだった。彼女は明らかに男を喜ばせる方法をよく知っていて、行為の後、男は大きな満足感を得て、ベッドの端に座りシガーに火をつけ、空気中に煙の輪を吐き出した。
彼は荒れた手で女性の体を卑猥に撫で回しながら言った。「静、お前は本当に名実ともにセクシーな尤物だな。男を喜ばせる技術は一流だ」彼女のためにあれだけの金を使った甲斐があった。
佐々木静は笑いながら男の胸に寄り添い、「田浩兄さんが満足してくれたなら、静はうれしいわ」と言った。