滅多にSNSを更新しない渡辺健太が、なんとSNSで愛の証拠写真を投稿した。
田中純希はずっとSNSや友達のグループに彼との写真を投稿する勇気がなかった。何度も気持ちを共有したいと思ったが、彼のプライバシーを考慮して結局投稿せず、以前の同級生にさえ自分が結婚していること、そして夫が渡辺健太であることを明かせなかった。
今、健太がこんなに堂々と愛を示すなんて、純希には異常に思えた。
写真は確かに彼らが愛し合った後に撮ったもので、それはもう2年以上前のものだった。あの日、健太は昼間から飢えた狼のようになり、彼女をベッドでぐったりするまで弄んだ後、記念にと言ってこの写真を撮ることに固執した。
純希はコメント欄を下にスクロールした。ほんの少しの間に、健太の投稿の転送数とコメントが爆発的に増えていた。コメント欄では皆が順番に「愛の証拠写真」を受け取り、無数のファンが渡辺社長の手さえも美しいと絶賛していた。
「なんて長くて綺麗な指なんでしょう。もし渡辺社長が手を繋いでくれるのが私だったら...ああ、幸せすぎる!」
「社長があんなに汗をかいてる、激しい運動をしたんですね。ああ、想像してしまう。」
「社長と奥様の2ショットが見たい、賛成の人は手を挙げて。」
「渡辺奥さんの手に指輪がないですね。」
「SNSの位置情報がサンクトペテルブルクになってる、ははは、次の出張では奥さんも連れていかないと、長い夜をどう過ごすんですか。」
「クールな社長が優しい男に変身、これぞ真の愛、私失恋しちゃった、うぅ。」
「もう何も言わない、社長と同じベッドシーツ買いに行ってくる、社長と親しいフリをするために。」
「社長はいつ結婚式を挙げるの?見たい見たい。」
「……」
「……」
「……」
純希は読み進めながら、多くの有名人もコメント欄に現れ、内容は様々だった。彼女は顔を赤らめながら読んでいた。ネットユーザーがこんなに熱心だと、彼女の正体を暴かれるのではないかと心配になった。
彼女は水を飲みに行き、戻ってニュースを更新すると、見出しがますます過激になっていた。「渡辺社長がベッド写真を自ら公開、急いで見に来て!」
純希はメディアの誇張と反応の速さに感心した。彼らは本当に視聴者の目を引くのが上手だった。
あるニュースには彼女と健太の写真が2枚も掲載されていた。