第123章 君は私の女だ(3)

西園寺真司がそう言った以上、須藤夏子もこれ以上何も聞けなかった。

それに、義理の両親に会うことは避けられないことだった。西園寺真司があれほど義理の両親を敬愛しているのだから、彼の妻である彼女としては、自分が見聞きした噂よりも真司の言葉を信じるべきだろう。

そう考えると、夏子の心はずいぶん落ち着いた。

三時間後、飛行機は千景市に着陸した。出口に着くと、黒い服を着た六人の男性が真司に向かって歩いてきた。

「西園寺若様、お嬢様がお迎えに行くようにとのことでした」そう言うと、彼らは進んで真司の手からスーツケースを受け取り、一行の先導を始めた。

空港の出口に着くと、二台のロールスロイスが広い場所に前後して停車していた。夏子が近づいてみると、この二台の車のナンバープレートが他の車と違っていることに気づいた。一台は001、もう一台は002だった。彼女は思わず真司をちらりと見た。

「これは昭臣と軽穂の車だよ。家に着いたら彼らに会えるから、二弟と三弟と呼んでいいよ」

真司はそれ以上説明しなかった。この二台の車は陸橋昭臣と陸橋軽穂の専用車で、千景市では誰もが知るものだった。昭臣と軽穂が彼にこれほどの敬意を示すとは、この数年間、彼があの二人を可愛がってきたのは無駄ではなかったようだ。

夏子はうなずき、真司について前の車に乗り込んだが、心は全く落ち着かなかった。

陸橋軽穂と陸橋昭臣については知っていた。この二人は陸橋家の長男と次男だった。それなのに真司は彼女に二弟と三弟と呼ぶように言った。真司と陸橋家の関係が本当に親密であることがわかる。そう考えると、やっと落ち着いたばかりの心がまた緊張し始めた。

「あの...さっきの人たちはどうしてお嬢様って言ったの?天音ちゃんは一緒に帰ってきてないんじゃ...」夏子は少し悩んだ後、緊張をほぐすために話題を探し始めた。彼女の心の中では、陸橋家のお嬢様は陸橋天音だと思っていた。

「このボディーガードは稲垣家の者だよ。彼らが言うお嬢様は僕の義母のことだ」

夏子はなんとなく話題を探しただけなのに、また真司の義母の話になってしまったので、急いで口を閉じた。

約一時間後、車は千景市の中心部にある豪華なビルの前に停まった。