第301章 取締役会の決議

李恪は理解し、退出しようとした時、携帯が振動した。取り出して見ると、眉をひそめ、西園寺真司に言った。「石川お婆様のアシスタントからです。」

真司は本来なら他の事に構っている余裕はなかったが、今回の件は無視するわけにはいかなかった。

須藤夏子が石川国男に連れ去られたと知った後、彼はすぐに石川城太の仕業ではないかと疑った。城太が彼の時間を引き延ばし、取締役会に参加させないようにしているのではないかと。そのため、石川テックビルを出る時、石川お婆様に電話をかけていた。

石川お婆様は石川テックの株主であり、元々お婆様は自分の議決権を彼に委託していたが、最終的には彼が自分の拒否権をお婆様に委ねることになった。

お婆様は彼の推測を聞いた後、迅速に取締役たちに連絡を取り、取締役会を延期させた。今頃は取締役会も終わっているはずで、この電話はおそらく結果を知らせるためのものだろう。

「出てくれ」真司もお婆様が最終的にどんな決断をしたのか知りたかった。

弘恪は外に出て電話を受け、20秒後に戻ってきた。彼の表情は泣いているのか笑っているのか分からない、とにかく不自然で奇妙で、予想外の出来事があったようだった。

真司の本意は城太を困らせ、警告を与えることだった。彼にとって石川商事を崩壊させる最良の方法は、経験不足の城太に会社を任せることだったからだ。しかし弘恪の反応を見た瞬間、彼は自分の計画に狂いが生じたことを悟った。

「石川城太は選挙に成功しなかったのか？」疑問形ではあったが、真司が口にした時の口調はほぼ断定的だった。

弘恪は頭を下げ、うなずいて言った。「石川お婆様が石川テックの取締役会長になりました。ただし城太も取締役会に入りました！」

真司の胸の内に突然怒りが湧き上がり、瞳の色は黒い霜のように沈んだ。

弘恪は彼のこの様子を見て、次の言葉を言うべきか迷ったが、少し考えた後、続けた。「それに加えて、ご主人様も、あなたも取締役会に推薦されました。」

真司はこれを聞いて、案の定、表情がさらに暗くなった！

お婆様のこの一手は、彼が苦労して崩した局面を再び均衡点に戻し、さらに城太に有利な状況を作り出したのだ！