第347章 この日々はもう無理だ!

誰!が!不!純!な!の!よ!

須藤夏子は怒りで物を投げつけた!

「Mはあなたの名前のイニシャル、Sは私の名前のイニシャルよ!」

西園寺真司はさらりと頷いた。「知ってるよ」

夏子は切腹したい衝動に駆られた!

彼女は確信していた、このろくでなしは絶対にわざとやっているのだと!

「返して!これは私のものよ!」夏子は怒りで鼻の形まで歪み、憤然として真司の手からクッションを奪おうとした。

真司はまるで彼女の行動を予測していたかのように、クッションを素早く背後に隠し、それから放り投げた。大小二つの骨の形をしたクッションがぴったりとベッドの上に落ちた。

夏子が真司を越えて走り寄ろうとしたが、真司は長い腕を伸ばして、いとも簡単に夏子を抱き寄せ、彼女の耳元で囁いた。「須藤夏子、君は文字を間違えてるよ。攻めるのは僕だ」

夏子の顔は再び真っ赤になり、思い切り真司の足の甲を踏みつけたが、彼女は素足だったため全く威力がなく、真司を痛がらせるどころか、自分の足の裏がしびれてしまった……

しばらく騒いだ後、夏子はようやくクローゼットの中から一度も着たことのないドレスを見つけた。華やかさには欠けるものの、彼女の静かな雰囲気を引き立てるには最適だった。服を着替え終わるとすぐに、宮平一郎が外からドアをノックした。

「旦那様、パーティーはあと1時間で始まります。そろそろ出発しましょう」

真司は返事をし、小さなショールを夏子の肩にかけて、昨夜彼が吸い付けたキスマークを隠した。「パーティーに着いたら、あまり話す必要はない。もし気分が悪くなったら、すぐに教えてくれ」

夏子は頷き、薄化粧をして真司と共に出かけた。玄関に着くと、仕事に戻った数人の使用人たちがブランコの周りで小声で話し合っているのが見えた。

「このブランコの花はどうして荒らされているの?つるも何本も折れてるわ。昨日帰る時はまだ大丈夫だったのに」

「後ろの芝生も、踏み荒らされてひどい状態になってるわ。これ、旦那様に言った方がいいかしら?」

「もしかして、あの二匹の犬がこんな風に掘り返したのかな?」

「あぁ…もしそうなら旦那様には言えないわね。若奥様に伝えましょう」

……

夏子はこれらの囁き声を聞いて、顔が水滴が落ちそうなほど赤くなった。

使用人たちが言っていた二匹の「犬」とは、彼女と真司のことだった……