第342章 男は十八で変わる、子供の頃はなんて可愛かったんだ

「二人とも何を話してるの？そんなに楽しそうに」

須藤夏子と宮平一郎が盛り上がって話していたところ、突然の影が夏子の頭上の日差しを遮った。

一郎は驚いて手が震え、今自分が夏子とかなり近い距離にいることに気づくと、急いで二人の間隔を広げ、背筋をピンと伸ばした。まるで後ろめたいことをしたような表情で、どもりながら言った。「な、なんでもありません、ただ若奥様とちょっとお話ししていただけです」

西園寺真司は気ままに優雅にしゃがみ込み、横にあったおやつ箱から歯固めスティックを一本取り出してまるちゃんに与え、そのまま怠惰な声で続けた。「ちょっとした話でそんなに楽しそうに？」

一郎：「……」

若様、今日は一体何を間違って飲んだんですか……

夏子は真司が今日飲んでいるのは水ではなく、きっと酢だと感じた。そうでなければ、なぜこんなにも意味もなく嫉妬するのだろう？

犬にも嫉妬し、部下にも嫉妬する。彼は酸っぱさを感じないのだろうか？

「一郎さんが先ほど子供の頃の話をしてくれたの。面白いなって思って」夏子は自分のせいで一郎が困っていると感じ、積極的に彼のために弁明した。同時に自分自身をごまかすためでもあった。

真司は一郎をちらりと見て、「へぇ」と声を上げた。「彼の子供時代の話に興味があるの？」

一郎は再び：「……」

若様は今日絶対に何か変なものを飲んだに違いない！

「彼の子供時代に興味なんてないわよ。あなたに一番興味があるの、それでいい？」夏子はこの偉そうな男に本当に参った！

西園寺若様は厚かましく頷いた。「もちろん、そうあるべきだ」

夏子は完全に言葉を失い、もはやこの男と普通に会話を続けることができなかった。自分を怒り死にさせないために、彼女は二匹の犬を抱えて家の中へと走った。

一郎も足を動かしかけたが、真司が彼に気をつけの姿勢を取らせなかったのを見て、急いでその場を離れようとした。しかし三歩も進まないうちに、真司がじっと彼を見つめ、彼は思わず動きを止め、上げかけた足をどうしていいか分からなくなった……

「男は十八にして大きく変わるというだろう」真司は一郎を見つめながら、表情は笑っているようでいないような、不思議な一言を言った。