第223章 彼は私を軟禁するつもりなの？！

橋本南は言わなくてもいいが、彼女が知りたいなら、私には彼に対処する方法がたくさんある。

「これは……」橋本南は苦い顔をして、どう答えればいいのか分からなかった。彼女が部外者だと言えばボスに殺されるし、部外者ではないと言えばボスの命令に背くことになる。

まったく……どうやっても人間じゃいられないじゃないか！

南はもう黙ることにした。

「南兄さん、あなたは私と武内衍の夫婦関係を壊そうとしているのよ！」永川安瑠は非難した。「夫婦間のちょっとした喧嘩は普通のことでしょう？でもあなたがこんなことをすると、私たちの関係がもっと悪化するかもしれないのよ！」

南は笑うに笑えなかった。彼女は黒を白と言い切っているじゃないか！

もし彼が教えなければ、万が一彼女と衍が仲直りして、衍の前で彼の悪口を言われたら、大変なことになる。

衍は確かに凄いが、彼の弱点は安瑠だ。安瑠が守ってくれれば、衍は彼に何もしないだろう。

ただ……

衍の前の指示を思い出し、南は突然笑みを浮かべた。

「安瑠、教えてあげるよ。」

「いいわ、言って。」安瑠は傲慢に答え、注意深く聞きながら南の言った住所を紙に書き留め、小さな顔に笑みが浮かんだ。

「でも、気をつけてね。ボスはあなたが勝手に出て行ったことで命令を出したんだ。会社と家に現れることを禁止されているから、見つからないように気をつけて。」南は親切に安瑠に忠告したが、実際には少し誇張していた。

衍が彼女に会社と家に現れることを禁止？

安瑠はペンをガラステーブルに叩きつけ、怒りが込み上げてきた。「何様のつもり？これって軟禁じゃない？！」

「理論的には、そうだね……もしもし？もしもし？安瑠？」南が無理して言い続けると、安瑠は電話を切ってしまった。

まずい、冗談が過ぎた……

安瑠は怒って携帯の電源を切り、フルーツボウルを持って階段を上がった。腹が立つ、本当に腹が立つ！

彼が行かせないなら、余計に行ってやる！

全身に怒りが燃え上がった安瑠は、衍の性格からしてそんなことを言うはずがないと考えもせず、部屋に戻るとベッドに飛び込み、ごろごろと転がってから、眠りについた！

……

夜の帳が下り、街の灯りが灯り始めた。