第46章 協力に同意する

深谷千早は少しも期待していなかった。

彼女はただ藤原宴司がどこまで馬鹿げたことをするのか見てみたかっただけだ。

実際、ほとんどの人は千早と同じ考えで、信じないながらも一体どうなるのか見届けたかった。

そのため、配信ルームの視聴者数は急上昇していた。

夜8時55分。

配信者は興奮していた。

彼女は言った。「奇跡が起ころうとしています。あと5分で、魔法が私たちの配信ルームにやってきます」

コメント欄はさらに盛り上がった。

中にはギフトを送り始める人もいた。

配信ルームの熱気は10万人以上の視聴者数を突破し、その夜の配信ランキングTOP3に一時的に入った。しかし、今の上昇傾向からすると、TOP1を独占するのは次の瞬間か、その次の瞬間の出来事だろう。

夜9時ちょうど。

配信者は非常に興奮して言った。「今こそ奇跡を目撃する時です。バララ小魔仙……変身!」

その瞬間、コメント欄は2秒ほど静かになった。

全員が集中して待っているようだった。

騙されるとわかっていながらも無限に期待して……

結果、本当に騙された。

配信者が出したのはモデルでも何でもなく、藤原宴司だった。

画面上には無数の疑問符、感嘆符、省略符が現れた……

この配信ルームに知能指数が徹底的に踏みにじられたような感覚。

「これだけ?」

「何をやってるの?摘み取った星が藤原宴司ってこと?」

「恥を知れよ。私まで恥ずかしくなる」

「でも……藤原宴司は本当にかっこいい」

突然コメント欄にそんな一言が現れた。

千早はそれが業者のコメントではないかと疑った瞬間。

コメントの風向きが一瞬で変わった。

「くそっ、配信者に騙されたのに許したくなってる自分がいる。こんなイケメン、お金を払わずに見られるなんて?」

「君たち俗物め、もう少し高尚になれないのか。こんな俗っぽい考えは、私に任せておけ!」

「わかった、認めるよ。私の三観は……五官に従う!」

千早は眉をひそめた。

配信ルームで藤原宴司を出すというトリックだけでも十分に馬鹿げていた。

これらのコメントを見ていると、本当に馬鹿げたことの極みだった!

配信ルームで、配信者の促しに従い、宴司は視聴者全員に挨拶した。「皆さん、こんにちは。藤原蘭グループの社長、藤原宴司です」

コメント欄はまた狂ったように盛り上がった。