第162章 暴露された

藤原宴司は深谷千早を浴槽から直接抱き上げた。

「どこに行くの?!」小林温子は藤原宴司の去っていく背中を見て、慌てて大声で彼を呼んだ。

宴司は答えなかった。

足取りさえも少し急いでいた。

彼は千早が今何を必要としているのか、よく分かっていた。

彼は千早をベッドに直接寝かせ、一緒に来た人たちに命令した。「全員出て行け!」

「はい」

「彼らも一緒に連れて行け!」

宴司は指示した。

「はい」

二人の屈強な男が床に倒れている徳永颯を乱暴に引きずり上げ、素早く部屋を出て行った。

温子はちょっと躊躇した後、振り返って大きなベッドの上の二人を見て、歯を食いしばって出て行った。

千早が絶対に何も起こらないように、絶対に何も起こらないように!

数人が部屋を出た。

温子は今や意識朦朧としている颯をもう一度見た。

颯は上着をすでに脱いでおり、下はズボン一枚だけで、ズボンの前は開いていて、中の黒いボクサーパンツがうっすらと見えていた。

しかもズボン越しでも温子には感じ取れた……

「彼を隣の部屋に置いてください」温子は言った。

どうあれ、颯は千早にとって特別な存在だ。彼女も見殺しにはできない。

彼女は二人の男に颯を部屋に運び入れさせながら、自分の友人に電話をかけた。「そう、最高のやつ、清潔なやつよ。不潔なのは来ないでね!」

電話を切ると、温子はベッドの上の颯を無力な目で見つめた……

言葉にできない感情だった。

きっと少し心が痛むのだろう。

もし彼らがこのような関係でなければ、彼と千早がどうして今のような状況になってしまったのだろう!

……

翌日。

夜明け頃。

深谷千早は苦労して目を開けた。

見知らぬ環境を見て、少し茫然としていた。

頭の中は混乱の塊のようで、今どこにいるのか、どうしてここにいるのか、全く理解できなかった。

彼女は今、喉が痛くてかゆいと感じるだけだった。

全身にも力が入らず、まるで昨夜マラソンを走り終えたかのようだった。

彼女は体をよじった。

突然、隣に人が寝ているのを見た。

背中を向けている。

千早は急に目が覚めた。

一瞬、目の前が真っ暗になったような気がした。

心臓の鼓動が速くなった。

その瞬間、昨夜何が起こったのかを突然思い出した。