第192章 証拠(一更)

記者会見の会場で、藤原宴司と白井香織が一緒にカメラの前に現れた。

宴司は黒いスーツを着こなし、相変わらず落ち着きがあり控えめながらも、人を圧倒するほどのハンサムさだった。

香織はいつものように白い仙女のようなドレスを着ており、純粋で清潔感があり、無害な印象を与えていた。

二人が現れた途端。

記者たちは騒がしくなった。

コメント欄も狂ったように——

【くそ、藤原宴司みたいなクズ男は好きじゃないけど、こいつマジでイケメンだな!】

【カメラマン、藤原宴司の正面顔をこっちに向けないでくれ、私の価値観が崩れそう。】

【横顔もダメ、殺される。】

【まずはこのクズカップルがどう言い訳するか見てみよう。】

【藤原宴司、がっかりさせないでよ。どんなにイケメンでも、裏切ったら絶対に許さないからね!】

会場の記者たちも我先にと質問を始めた——

「藤原さん、昨日記者会見を開いたばかりなのに、今日またというのは焦っているからですか?藤原グループや藤原蘭ジュエリーがネットユーザーから中傷されているとか。明日の月曜日に株式市場が開くとストップ安になるのを心配しているのですか?」

「藤原さんは深谷千早さんと白井さんとどういう関係なのですか?昨日は深谷千早さんとの結婚を公表し、今日は白井さんと単独で記者会見に出席?深谷千早さんをなんだと思っているのですか?」

「深谷千早さんはあなたにとって単なる道具なのですか?噂によると、あなたと白井さんの関係は家族に認められていないので、深谷千早さんを盾にして、白井さんとの関係を隠しているとか。」

「深谷千早さんに申し訳ないと思わないのですか?今日記者会見を開いたのは、また皆に『自分と深谷千早さんには感情がなく、形だけの結婚だ』と伝えたいのですか?」

「白井さん、あなたは恥ずかしくないのですか?藤原宴司と深谷千早さんの間に割り込んで。」

「あなたは『真実の愛には敵わない、愛されていない方こそ第三者だ』と思っているのですか?だから今、藤原宴司と一緒にいるのは当然だと?」

記者たちは一気に多くの質問を投げかけた。

宴司の表情は冷たいままで、怒りも見せず、何の感情も読み取れなかった。

一方、香織は顔が真っ青で、気分が落ち込んでいるようで、今にも倒れそうに見えた。