第086章 陸兄さんに朝食を届ける

今日も今田由紀は午前10時に起床した。彼女はベッドから這い上がり、疲れた様子で頭を叩きながら言った。「はぁ、由紀、このままじゃダメになっちゃうわ。陸兄さんに甘やかされすぎて、情けない。陸兄さんの面倒を見るって言ったのに、このままじゃいけないわ!」

由紀は現在インターンシップの段階にあった。以前、今田お母さんが重病だったため、学校からの配属が遅れていた。

今日、彼女は学校に行って、インターンシップ事務室の先生のところで自分に合った会社の紹介があるかどうか確認するつもりだった。

由紀は起き上がって身支度を整え、鏡に映る生き生きとした自分の姿に満足げに頷いた。

彼女が階段を降りて出かけようとしたとき、榎本のお母さんは彼女の外出の格好を見て驚いて尋ねた。「若奥様、どちらへ行かれるのですか?お出かけですか?!」

由紀は榎本のお母さんが自分を若奥様と呼ぶたびに少し居心地が悪くなった。彼女は照れくさそうに笑いながら言った。「榎本のお母さん、若奥様なんて呼ばないでください。なんだか変な感じがします。直接名前で呼んでくれればいいんですよ!」

「それはいけません。あなたは若様と結婚されたのですから、私の若奥様です。若奥様、出かけるにしても、まず朝食を食べてください。空腹のままだと胃に良くありませんよ!」

榎本のお母さんは由紀の行く手を遮り、真剣に忠告した。

由紀は素直に頷いた。「はい、わかりました。食べます。そういえば、陸兄さんはちゃんと朝食を食べましたか?」

由紀は座って海鮮粥を一口飲んだところで、佐藤陸のことを思い出して尋ねた。

榎本のお母さんは彼女が陸をこのように気にかけているのを見て、とても満足そうに言った。「若奥様、ぜひ若様を説得してください。彼はいつも朝食をほとんど食べないんです。これはよくありません!」

「あぁ、それは私が悪いです。もっと早く起きて彼に付き添えばよかったのに。そうすれば彼を監督できたのに。たぶん一人だから食欲がないのかもしれません。この海鮮粥、本当においしいですね。あのう、一つ包んでもらえますか?ちょうど出かけるので、陸兄さんに持っていって、それから学校に行こうと思います!」

榎本のお母さんはこの言葉を聞いて当然喜び、すぐに海鮮粥を一人分包んで由紀に渡した。由紀は食事を終えると、それを持って直接出かけた。