第075章 奥さん、私と寝たいんじゃなかったの?

佐藤陸はほとんど哀願するように今田由紀の後ろについて行った。陸はサングラスの下で思わず狡猾な光を瞳に宿らせた。目的は達成したのに、口では拒否するように言った。「ダメだよ、奥さん。この前は確かに僕の考えが足りなくて、君を困らせてしまったね。全部僕が悪かった!」

「陸兄さん、そんなこと言わないで。私、全然困ってないわ。私、あなたと一緒に寝るの好きよ!」

陸は思わず口元が上がった。彼の小さな奥さんは本当に可愛すぎる。

「あなたと一緒に寝るの好き」という言葉を聞いて、陸は下腹部が一瞬熱くなった。なんて素晴らしく心地よい言葉だろう。まさに彼の心の琴線に触れた。

「本当に?」

「本当よ、陸兄さん、誤解しないでね。私が...私が緊張すると上手く話せなくなるの知ってるでしょ。実は全然そういう意味じゃなくて、元々は陸兄さんの体調が良くなったか聞こうと思ってたの。もし良くなってたら、本当の意味で陸兄さんの妻になろうと思ってたんだけど...でもあなたがまだ休養が必要だって言うなら...」

本当の意味で彼の妻になる?!

陸は荒い息を何度か吐いて、今すぐ彼女を押し倒したい衝動を必死に抑えた。彼女は今自分が何を言ったのか分かっているのだろうか?

彼女に欲望を抱いている自分の前で、彼女はそんな挑発的な、彼の理性を一瞬で吹き飛ばすような言葉を口にした。彼女は自分がこれから何を受け入れることになるのか分かっているのだろうか?

陸は決して善良な人間ではない。彼はこの娘に対してずっと前から垂涎していた。

しかし彼女は彼が苦労して誘い込んだ小さな娘だ。彼は彼女の前で自分の獣性をさらけ出すつもりはなかった。彼女を怖がらせたくなかったのだ。

彼は彼女が心から自分自身を彼に委ねることを望んでいた。それにはまだ長い時間がかかると思っていた。

しかし思いがけず、この娘が今夜こんな大きな驚きを彼に与えてくれるとは。

彼は心の中で喜びが爆発しそうだったが、それでも心の高揚を強く抑えて、冷静に尋ねた。「冗談じゃないよね?」

「え?」由紀は恥ずかしそうに頭を垂れ、陸の疑うような口調を聞いて、彼を傷つけないように急いで言った。「本当よ、真剣なの。私、陸兄さんの女になりたいの!」