第180章 呪い、心臓と肺を抉り取られる

初陽が望むものを、星野寒が理解しないはずがない。だから、彼女が望むなら、彼は与える。

何であれ、代償や結果を考えずに。

橋本奈子は信じられない思いで星野寒を見つめ、全身が震えていた。彼女は憤慨して叫び返した。「違う……寒、なぜ私にこんなことをするの?私は下剤を盛られて、今はお腹が痛くて苦しいのに、あなたはトイレにも行かせてくれないし、ここから一歩も出られないって言うの?」

寒は物憂げに目を開け、冷ややかに奈子を一瞥すると、すぐに初陽を抱き寄せて背を向け、奈子に一言も返す気はなかった。

「寒、こんなことしないで、沢田鶴のことを恐れないの?涼城では誰もが彼を恐れているわ。人を殺しても平気な悪魔だって言われているのよ。彼の報復を恐れないの?」奈子は心を引き裂くような怒号を上げ、アシスタントの手をきつく掴んで低く吠えた。

沢田鶴は彼女の最後の切り札だった。そうでなければ今夜、彼女の名声と尊厳は完全に塵と化してしまう。

「沢田鶴?あいつが何だというんだ?」寒は足を止め、冷たく笑い、嘲笑を浮かべた。

そして彼は目を細め、低い声で言った。「明日の涼城の新聞には、必ず『有名女優・橋本奈子が温泉で失禁、精神病患者となる』という記事が載るだろう……」

奈子はよろめいて後退した。この壊滅的な打撃と腹痛を我慢する苦痛で、彼女は崩壊の縁に立たされていた。

どうすればいいの?明日のニュースが出れば、橋本奈子は完全に終わりだ。

いや……いや、彼女は破滅するわけにはいかない。

青春と若さを捧げ、肉体と貞操を差し出し、人を食って骨も吐き出さない沢田鶴のそばで必死にもがき続け、何年もそこにいた。その苦労は誰にも理解できないものだった。

これほど多くを犠牲にし、これほど多くのことをしてきたのだから、絶対に水の泡にはできない。

「星野社長、星野社長、お願いです、どうか私を許してください。私も身勝手なことはできなくて、人に唆されて葉田初陽を害するようなことを計画したんです。ただ、あの恨みを飲み込めなくて、初陽に教訓を与えたかっただけで……」ドサッという音と共に、奈子は地面に強く膝をついた。アシスタントの制止も聞かず、膝で這いながら寒と初陽の側まで行き、寒のズボンの裾を掴んで必死に懇願した。

寒は眉をひそめ、冷たい目つきで厳しく命じた。「彼女を引き離せ……」