木村伊夜の心が、突然震えた。
一筋の確固たる輝かしい視線が、宵月司星の二つの深淵のような瞳に飛び込み、一瞬にして心が乱れたようだった。
「私……」
転生後、伊夜が何よりも司星に近づこうとした目的は、最初から最後まで一つだけだった。
彼を守りたい、今生は二度と裏切らない。
彼女自身も気づかないうちに、男性へ向けられたその眼差しは徐々に優しさと限りない愛情を帯びていった。
「木村伊夜、お前の正体がバレたぞ」司星は彼女の顎を掴み、思わず息遣いが荒くなった。
この瞳は、まるで魂を奪い取る能力を持っているかのようだった。
彼にとって、逃れられない致命的な誘惑だった。
「んっ……」
彼は彼女の顎を持ち上げ、唇と唇が触れ合った。
男性の舌が躊躇なく侵入し、器用な小さな舌と絡み合い、伊夜の一寸一寸の香りと甘さを吸い取っていった。
司星は彼女に深いキスをしながら、次第に支配的な占有から、ゆっくりと瞼を閉じ、愛情深い親密さへと変わっていった。
彼女は彼のアヘン、一度のキスで魂を奪い、一夜で生涯を捧げさせる。
「ちょっと待って!」
伊夜は目を見開き、司星を押しのけた。
彼女は自分の鼓動が乱れ、心の先端が震え、心の弦が弾かれ、もう制御できないと感じた。
呼吸はますます荒くなり、暴れる小さな心臓は、いつ彼女の命を奪ってもおかしくないようだった。
「木村伊夜!」
彼女は突然力を込めて彼を押しのけ、足早に逃げ出し、男性の怒りの低い咆哮を引き起こした。
しかし伊夜は何も気にする余裕がなかった。
彼女はトイレに駆け込み、自分を中から鍵をかけた。
背中をドアに寄せ、彼女は後ろ手でドアノブをしっかりと握り、ゆっくりと体を滑り落とし、冷たい白いタイルの床に座り込んだ。
「だめ……」
伊夜は胸元の服をつかみ、眉をきつく寄せ、新鮮な空気を大きく吸い込んだ。
この感覚は、彼女にはあまりにも馴染みがあった。
心臓病が発作を起こすとき、彼女はほとんど窒息しそうになる。
「コンコンコン——」
司星がトイレのドアをノックした。「木村伊夜、警告しておくが、今すぐ出てくるんだ」
伊夜は振り返って一瞥し、そして鏡に映る冷や汗だらけで顔色の青ざめた自分を見上げた。
いや……彼女は司星に自分の病気を知られるわけにはいかなかった。