治せないならトイレに流すわよ

天使：「……」

赤ちゃんは悔しいけど、赤ちゃんは何も言わない。

正直に言うと、彼は自分が超絶凄いと思っていたが、どうしても木村伊夜の心臓病だけは治せなかった。

「あぁ……今日はいい天気だね。」

「無駄口を叩くな。」伊夜は手を伸ばして鎖骨チェーンを握った。「病気を治せないなら、お前をトイレに流してやる。」

「で、できます！」それを聞いて、天使はすぐに降参した。

トイレの中はあんなに臭くて、ありとあらゆる汚いものがあるのに、そんなところに放り込まれたくない。

こんな宿主に出会ってしまい、彼はただ悔しい思いをするしかなかった。

「じゃあ早く治せ。」伊夜は腕を胸の前で組み、ソファに座って足を組んだ。

どう見ても、彼女はたった今心臓発作を起こし、衰弱しきった患者には見えなかった。

「僕は……一時的にしか心臓病を治療できません。」天使はもごもごと言った。

天使の瞳には多くの不思議な力がある。例えば強力な感知能力、透視能力、必要に応じて空間システム、武打システム、製造システムなどを操ることもできる。

確かに、嫉妬されるほど強力なチート能力だ。

しかし伊夜の心臓病は、タダで白い狐を手に入れるように、簡単に治せるものではなかった。

「一時的に治療するってどういう意味？」伊夜は眉を上げた。

天使はしばらくもごもごしていたが、キャッツアイが少しピンク色の光を放った。「例えばあなたがパンパンしているとき……どんなに激しくても発作が起きないように保証できます。」

伊夜：「……」

病気を治せないだけでなく、この天使の瞳には変態の属性もあるとは、仲人役が好きなんだな。

「信じないなら……試してみてください。」

天使の声は蚊のように小さく、まるで伊夜が本当に彼をトイレに流そうとしているかのように委縮していた。

しかし彼女はそこまで衝動的ではなかった。

異能空間の開放こそが、真の再生を意味するのだから。

「試すわけないでしょ。」伊夜は嫌そうに口を尖らせた。

彼女は宵月司星とパンパンなんてしたくない、全然したくない、絶対したくない、したくないったらしたくない！

「宿主、欲求不満ですね。」天使は意地悪く笑った。

伊夜：「……」

彼女は目を上げ、この豪華絢爛な別荘を眺めながら、ふと世界が少し不思議に感じられた。