ネット炎上!
歌姫星夏が繁星映像と契約してわずか7日で解約を申し出し、高額な違約金を背負う!
【九傷】頭おかしいんじゃない?あの歌姫様が大物ぶって、繁星映像を猿扱いしてるの?
【姿々ヤ】うぅん、女神が可哀想…きっと繁星映像にいじめられたんだよ!そうじゃなきゃ、あんな高額な違約金を払ってでも解約したいなんて思わないはず!
【顰野子】脳みそ腐ったファンたち!あの星夏はとっくにあなたたちからたくさん金を巻き上げてるのよ。違約金なんて彼女にとっては九牛の一毛でしょ?
【小林亭】女神がどの事務所と契約するか注目!
【適】星野辰エンタメがいいよ!
【檸田夏】上に同意+1
各ネットプラットフォームでは、この件で大騒ぎとなり、某浪のトレンドランキングでも上位3位に入った。
木村伊夜はエアコンの風に当たりながらスイカジュースを飲み、ネット上の罵り合いを悠々と眺めていた。彼女の気分は全く影響を受けていないようだった。
「星夏様の人気は、最近上がっているようですね」
ある朝、宵月司星は食卓で彼女を横目で見ながら、皮肉たっぷりに言った。
芸能ニュースは発酵し続けているのに、伊夜は相変わらず爽やかな様子で、広報対応をする気配すらなかった。
「褒めてくれてありがとう。でも私はいつだって人気爆発よ」
彼女は花のような笑顔で男を見つめたが、その笑みは殴りたくなるほど生意気だった。
司星は冷ややかに嘲笑した。「見くびっていたよ」
この女、本当に彼に助けを求めるつもりはないらしい。
彼女が口を開かないなら、星野辰エンタメに引き続き静観させておこう。彼女がどこまで耐えられるか見ものだ。
「はぁ…」伊夜は頬杖をついて溜息をついた。「どうせ繁星映像と対抗できるのは星野辰エンタメだけなんだけどね」
彼女のため息を聞いて、司星は彼女が折れるのかと思い、漆黒の瞳の光が少し和らいだ。
しかし彼女は続けた。「でもね…星野辰社長がたまたま小物だから、私のために敵対するなんて恐らく怖くてできないでしょ!私はもう自力でなんとかするわ!」
言い終わると、伊夜は諦めたように首を振りながら立ち上がり、自分の部屋へ戻っていった。
「バン!」
司星は突然、手に持っていた箸をテーブルに叩きつけた。
「山崎執事」彼の瞳は漆黒で人を畏怖させ、声はさらに冷たかった。「私は小物か?」