33章 火薬

「全員起立、第四王子殿下が来る。」とアイアンアックスは手を叩いて叫ぶ。まだ一刻も休んでいなかった。

ヴァンナはすぐに自分の位置に戻った。特別訓練で彼は命令に従うことに反射的な反応を持つようになり、潜意識的にすぐに木の棒を構え、以前の刺突の準備動作を取った。

王子と一行は城壁の上を歩き、隊列の後ろを通り抜けた。ヴァンナは、その場所を通過するときに王子が歩みを遅くしたのをうかがった。

内心で息をつきながら、ローランは考えた。「遅く起きると午前中が台無しになり、早く起きると一日が台無しになる」と言われていたことが真実だと思った。城を夜襲した後の仕事を終えると、すぐに民兵隊の最近の訓練成果を視察するために急いで来なければならなかった。一晩中眠らずに、今では眠気が募ってきている。しかし彼は来なければいけない。今や部隊は戦闘訓練の段階に入っており、最高指揮官として長い間姿を見せずにいると、自分の存在感が低下して、人々の心が不安定になるだろう。

それで……視察の時には何を言えばいいのだろうか?ローランは考えた。「皆さん、お疲れ様です。皆さん、お疲れ様ですか?」と言ってみたが、それが何も続かなければ、顔を赤らめてしまうだろう。だから、ただ適当に人々に話しかけて、自分が礼儀正しく賢者を尊重する人物であることをアピールし、チャームポイントを稼ごうと思った。

そう思い立ち、彼はそれなりに逞しそうな若者の肩を叩いた。

「訓練は大変だね、疲れているか?食事はどうだ?」

以前ニュースを見た経験から、その人は「疲れていません、大丈夫です!」と大声で興奮して答えるはずだった。しかし、彼は興奮しているようだったが、ローランが頭を振ってくれると、すぐに一膝をついてしまい、ローランはびっくりした。

ヴァンナは自分が神に恵まれたと感じた。王子殿下が彼の訓練がきつかったかどうかを気にかけてくれるなんて!普段は王室などとは無縁で、貴族でさえ彼らと話すことを避けている。彼は騎士が王子に敬意を表すのを模倣した。その礼儀が彼に適しているかどうかは問題ではなく、心の中では一つの声が響いていた:「これからは帰っても彼、ヴァンナは一流の人物だ」。

立ち上がるように指示された後、ヴァンナの頭の中は混乱していて、自分が何を答えたのかすら覚えていなかった。