第117章 追撃(上)

"カーター・ラニスが初めて目の当たりにした戦闘だった。

300以上の騎士からなる壮大な陣列が、防衛ラインの端にさえ触れることなく、すでに壊れてしまった。

最後まで、彼らは50メートルの範囲に入ることができなかった――それは殿下が描いた火縄銃の射撃線であり、50メートルのラインを超えた時だけ、皆が発砲することが許された。

たった四門の大砲が、敵を百メートル線付近で無理やり足止めした。150メートルから百メートルの間に、不揃いに散らばって20個ほどの死体が横たわり、そしてこれらの人々は彼と同じく、全て技巧に優れた騎士でしかなかったからこそ、大砲の轟音の中で依然として馬を高速で進めることができた。

カーターは、自分がそのうちの一人でないことを神々しかった。彼はほのかに感じていた、これからの戦争は大きく変わるだろうと。そして、そのような大きな力を持つローラン・ウェンブリトンが王位につくことも、遅かれ早かれ必至であると。

第一軍のうちの一部の人々が戦場の悲惨な光景を見て、目まいや嘔吐などの不良反応を示したが、肉弾戦ではなかったため、大砲による敵へのダメージの衝撃は近くで敵を剣で殺すことに比べて小さかった。反応はあまりひどくなかった。カーターは部隊から死者や新鮮な血に慣れたハンター達を選び出し、戦死者の遺体を集め、同時に生きている者を探した。

太陽が次第に山群の中に沈んでいき、カーターは血紅色の空を見つめ、遠くの森の中から鳴り響く鴉の鳴き声を聞いた。彼は突然一抹の寒々しさを感じた。

騎士の時代は終わった。

...

レイン公爵は今でも自分が何が起こったのかを理解できないでいる。"

"彼はなぜ敗れたのか理解できなかった。明らかにその防衛ラインは薄いはずだった、ほんの一突きで貫通できるほどの。にもかかわらず、騎士たちはまるで悪魔を見たかのように四散して逃げてしまった。彼は他人を責めることさえできなかった。なぜなら、もっとも前方に突撃したのは、彼自身の精鋭騎士だったからだ。