164章 酸を作る

ケイモ.ストゥイールは、この何日間ほとんど眠らず、辺境の町に来たことが自分の人生の中で一番正しい選択だったと気付いた。

『初等化学』全体を2日間で一読し、2~3時間寝ただけでまた元気になった。今、彼は初めのページに戻り、古書を細心の注意を払って再読している。

物質は極小の粒子によって構成される!物質の変化は粒子の分解と再構成!反応過程で、物質の量は一定!

ああ、この本の著者は一体何者だろう、人々が見ることのできない世界をこんなに明確に描写できるなんて。彼は何度も本の内容がすべてでっち上げだと疑ったが、それに従って錬金術の実験をしてみると、結果はすべて一致した。そして、現実の一部の例も、本が正しいことを証明している。

例えば、最初の章で述べられている「オキシジェン」だ。

このガスは空気の主要成分で、人々が呼吸しているのは空気ではなく酸素だ。炎が燃焼するためには酸素が必要であり、燃焼は本質的に酸化反応と呼ばれる一種の反応だ。酸素が多ければ多いほど、燃焼は激しくなる。

これらの言葉が彼を赤水市のガラス窯に思い出させる。窯の中の温度を砂岩の融点まで上げるには、2人がひたすら風袋を揺すぶらなければならない。もし物質なら、明らかに錬金術……いや、化学反応を通じて純粋な酸素を抽出できるはずだ。もし炉に直接酸素を供給することができれば、風袋の設備は必要なくなるのではないだろうか?

また、驚くべきことに、本の内容では、水はなんと2つのハイドロジェン微粒子と1つのオキシジェン微粒子から構成されているそうだ。これがすべての生物が水を飲む理由なのかもしれない。しかし、ハイドロジェンもガスらしいが、どうやって2つのガスがマージして液体になるのだろう?

カイモはまだ解き明かすべき多くの問いを見つけた。だが、何もかもが疑問である中、彼が他の全ての錬金術師よりも先んじていることは間違いない。他の錬金術師たちが混沌と迷霧の中で公式を模索している一方で、彼の前には直線で平らなメインストリートが映っているのだ。

しかし、正業には取り組まなければならない。本をためらって閉じる。その時、東方の空はすでに白み始めていた。また仕事の時間だ。

カイモはキャンドルを吹き消し、寝室に忍び寄ってまだ眠っている妻と娘を見てから、そっとドアから出た。