268章 初の総会(上)

ローランは城の会議室で辺境の町第一回ハイエンド全体会議を開催しました。

初めはバルロフと彼の10数人の弟子だけで維持していた市政府も、今では近百人の大集団にまで発展してきました。この中には落ち目の貴族、捕虜になった騎士と従者、そして初等教育を受けて卒業証書を取得した原住民が含まれています。

人口の増加に伴い各部門も次々と形成され、市政府がようやく王子が期待するような形になりました。彼はもはや全ての事を自分でやらなければならない状況ではなく、今では一部の簡単な政策や計画を彼が指示すれば、この初期段階の市政府が各部門にタスクを分解して完了させることができます。この一点に関して、ローランは非常に満足しています。

第一回ハイエンドミーティングの参加者は全て各部門の責任者で、それぞれが農業大臣のセニ.ダリ、教育省長のロール、化学工業部責任者のケイモ.ストゥイール(代理)、建設部長のカール.ヴァンベルト、軍隊の責任者のアイアンアックス、そして市政府の管理人のバロフ.モンスです。産業部はローランが直接管理することになっています。彼を除いて、工業化が何を意味するのかを知る人物はあまりいませんから。

各人が身のそばに氷水のバケツを置いており、そのさっぱりとした空気が広がっています。バケツに入れられた氷塊はローソクの火で付呪されており、水に浸けておくと少なくとも半日持続します。だから、外は真夏の炎天下でも、城の大広間は涼しい気温を保つことができます。

「それでは、各部門が近況報告をしてみてください。」ローランはバケツから水差しを取り出し、自分に氷水を注ぐ。「まずは農業省から始めてください。」

「はい、殿下。」セニが立ち上がって敬礼し、事前に準備しておいた紙を広げました。「今回納められた穀物は約17000斛で、この数だけでもすべての町の人々の来年のミッドサマーまでの食料需要を満たすことができます。その他に、農業省はあなたの指示に従い、余剰の穀物を市場価格で買い上げましたが、その数は納入された穀物の割合に比べて遠く、現時点では4500斛しかありません。」