第62章 誰も彼女を守ってくれないなら、俺がやる_2

なぜかはっきりとは分からないが、陽子がいじめられているのを見て、しかもこんな明らかな侮辱的ないじめを見ると、彼の心は激しく怒りに燃えた!

誰も彼女を守ってくれないなら、自分が守ってやる!

陽子は北原秀次に後ろに庇われ、必死に前に出ようとしたが、体が小さく力が弱いため、北原秀次の片手で押さえられただけで全く動けなかった。彼女は心の中で怖かった。唯一自分を気にかけてくれる北原秀次を巻き込んでしまうことが、唯一自分を大切にしてくれる人を傷つけてしまうことが怖かった——彼女は北原秀次が優等生で、学習成績が優秀なことを知っていたが、これらの非行少年の相手になれるとは思えなかった。

彼女の考えでは、せいぜい数発ビンタを食らうくらいで、この白昼堂々と非行少年たちもそれ以上のことはしないだろう。万が一ひどいことになったら未成年者用の警報器を使えば——でもそうすると事態が大きくなってしまう。相手の親が来たらその結果は彼女には耐えられない。母親だけでも許してくれないだろう。だから使わないに越したことはない。

とにかく、彼女は北原秀次に早く立ち去ってほしかったが、気がつくと北原秀次はすでにその非行少年たちのボスと対峙していた。

彼女の涙はついに抑えきれずに流れ出した。どうすることもできず、心臓が激しく鼓動し、北原秀次が殴られた後、自分のことをどう思うのかわからなかった。そして非行少年たちのボスは、北原秀次が自分に向かって強気に出てくるのを見て、まさに天に向かって吠える犬のようだと思い、かえって笑いが出てきた。北原秀次の鼻先を指差し、奇妙な表情で、まるで老猫が目の前に現れた大胆不敵なネズミを見るかのように言った。「死にたいのか?俺が誰だか知ってるのか?新参者?太田続川が何者か聞いてみなかったのか...」

彼の言葉が終わらないうちに、北原秀次は突然彼の指を掴んで強く折り曲げ、彼が痛みで腰を曲げて悲鳴を上げかけた瞬間、北原秀次は膝を顔面に叩き込み、後半の悲鳴を喉の奥に押し戻した。