第122章 なるほど君は小心者だ_3

彼は静かに銀針を冬美の解渓穴に刺し、針の尾を軽く弾いて振動させ始めた。冬美の表情に異常がないのを確認してから、順番に上へと針を打っていった。

雪里は北原秀次の邪魔をしないように少し離れて、ただ興味深く見守っていた。もう心配はしていなかった——秀次のやつは凄腕だから、彼の施術なら問題ないはずだ——実際、冬美も足の痛みが和らいでいくのを感じ、壁を見つめながら黙っていた。

このやつ、なかなかの腕前だな。後で日記帳にもう一つ丸を付けてあげよう。

しかし北原秀次は彼女に拳を握らせ、その小さな手を持って「小節穴」の位置を慎重に確認した。冬美は困惑して尋ねた。「私...足を怪我したのに、どうして手に針を刺すんですか？」

頭が痛いなら頭を、足が痛いなら足を治療するのは凡医のすることだ。北原秀次は笑って言った。「この前胃が痛い時も、膝のツボを使ったでしょう。説明しても分からないだろうから、大人しくしていなさい。」

冬美の拳は小さくて愛らしかった。北原秀次はしばらく見つめた後、思わず冬美の小さな顔も見てしまった。なるほど、心が狭いわけだ——人の拳の大きさは心臓の大きさとほぼ同じ、冬美は間違いなく小さな心臓を持っているのだ。

彼は冬美の小さな拳を持ちながら、何度も手を触るのは気まずいだろうと考えた。どうせ足にも針を打ったのだから手も同じだと、また施針を始めた。冬美はそこに横たわったまま少し首を傾げ、彼を見つめて、しばらくしてから尋ねた。「私が負けたのに、何も言うことないんですか？」

北原秀次は少し驚いて、笑いながら尋ねた。「慰めて欲しいの？」

「要りません！」

「だから何も言うことはないでしょう！」北原秀次は針を回しながら、彼女の言葉に続けて話を進めた——実は彼は冬美のこの闘志を非常に評価していた。彼も同じような人間で、福沢家にこれだけの出来事があっても、冬美のこの闘志があれば、彼がいなくても乗り越えられただろうと思っていた。

もちろん、彼が介入しなければ、福井ファミリーは大変な苦労を味わうことになっただろうが、最終的には何とかなり、むしろ一般の人よりも良い暮らしができたはずだ。