第178章 動物全家桶

陽子は沢山の誕生日プレゼントをもらった。

冬美は非常に精巧な剣道衣を贈った。これは彼女の母が作ったもので、陽子に譲られた。雪里は手入れの行き届いた竹刀を三本（長いのが一本、短いのが二本）、春菜は上品で陽子のローマ字略称が刺繍された剣袋を、夏織と夏沙は一緒に黒い剣道具一式を贈った——中学で剣道部に入るなら、陽子が頭巾を用意すれば完璧だった。

福沢家は武具と防具を贈り、内田雄馬は密かに口を歪めて下品に笑いながら携帯ゲーム機を贈呈し、自分の贈り物が一番子供の心に合っていると思っていた。一方、式島律は綺麗なオルゴールを贈り、式島葉の代わりに大きなぬいぐるみも持ってきた。

北原秀次は見回して、式島兄妹の贈り物だけが十一歳の女の子らしい普通のプレゼントだと感じ、他はほとんど的外れだと思った。

しかし陽子は全部とても気に入り、甘く笑いながら一つ一つお礼を言い、そして誕生日の歌の中で両手を胸に当て、心を込めて誕生日の願い事をし、最後に優しくろうそくを吹き消した。

みんなでケーキを食べながら談笑し、その間内田雄馬は唾を飛ばしながら自分の恋愛話を大いに語り、大げさに自慢し、式島律は必死に止めようとしたが失敗し、最後は放っておくことにした。秋太郎は式島律を見つけると、とても気に入り、一晩中彼に付きまとった。

笑い騒いで十時近くになり、雪里はお腹いっぱいになっても食べるのを止めず、冬美は時間が遅くなったのを見て先に帰ると言い出し、内田雄馬は福沢家を送り届けると自ら申し出て、安全に届けることを約束した——春菜と式島律は北原秀次の「戦場」の片付けを手伝おうとしたが、北原秀次に笑顔で断られた。

全員を見送った後、北原秀次は散らかった部屋を片付け始め、陽子も甘く笑いながら後ろについて手伝い、時々こっそりと北原秀次を見ていた。

北原秀次は皿を陽子に渡して拭かせながら、軽く笑って尋ねた。「どうしたの、陽子？」

陽子は笑顔で首を振った。「なんでもないよ、お兄さん。」