彼は立ち去ろうとして、少し躊躇した。小ロブヘッドが良い反応をしないことは分かっていたが、つい言葉が出てしまった。「病気が治ったばかりだから、あまり無理をしないように。激しい運動は控えめにして、運動後の保温にも気をつけて——重度の風邪は厄介だから、気をつけてね。」
彼は百合というものがあることは知っていたが、具体的にどういうものかはよく分からなかった。二人の少女が一緒になるというのは——おそらく青春期の少女のXへの漠然とした好奇心だろう、理解できる——それは彼女たちの自由な選択だ。彼は賛成も反対もせず、ただ婉曲的にこう忠告するしかなかった。あまり激しくならないように、翌日二人とも病気になったりしないように、と願うばかりだった。
冬美は意味が分からず、純粋な心配だと思い込んで、今日の北原秀次が特別に好ましく見えた——自分の後ろ姿を褒め、優しく話しかけ、普段のように自分が不機嫌になると即座に「一言九鼎」を切り出すこともない——彼女も声を柔らかくして言った。「分かりました。体調に気をつけます。あなたも...最近疲れているみたいだから、忙しい時は早めに休んで、夜遅くまで本を読まないでください。」
北原秀次は冬美を驚いて見つめた。この状況は何かおかしい。普段なら自分がこんなに口うるさく言うと、彼女は大声で「分かってるわよ」と言って、そして首を傾げて小声で「余計なお世話」とぶつぶつ言うはずだ。
今日はこんなに素直で、機嫌がいいのか?もしかして「陰陰調和」の効果?本当に本気の感情が芽生えたのか?
彼は心の中で色々と考えながら頷いて、階下へ向かった——春菜に密告して、しばらくの間小ロブヘッドを見張ってもらおうと思った。何か起きた時のために、早めに備えておく必要があった。
冬美は北原秀次を見送った後、すぐに浴室へ駆け込み、ドアを内側から施錠して、鏡に背を向けて振り返り、注意深く観察したが、特に変わったところは見当たらなかった。思わず呟いた。「あの人が私の後ろ姿を見るのが好きだなんて、なんだかエッチな感じ...」
しばらく見た後、顔を洗って、真っ赤になった頬を少し冷やした。北原秀次への「サービス」を思い出して恥ずかしくなり、自分に言い聞かせた。「見られたところで肉が落ちるわけじゃないし、普段だって見られることなんだから。」