第241章 私に夜襲をかけるなんて?_2

雪里に補習をしているとき、彼のような温厚な人でさえ肝臓が痛くなるほど腹が立つことがあり、思わず雪里の後頭部を叩いて鬱憤を晴らしたくなることもあった。しかし、雪里が申し訳なさそうな顔で、頭を縮めて正座して叩かれるのを待っている哀れな姿を見ると、とても手を上げる気にはなれず、むしろ吐血しそうになった。

今は雪里の補習を鈴木希に任せることになった。少し不道徳な言い方かもしれないが、北原秀次にとって大きな心配の種が一つ減った。鈴木希も何とかして成果を出さなければならないだろう。そうでなければ、小ロブヘッドに容赦なく皮肉られ、生きる気力を失うほどの目に遭うことになるだろう。

彼はロフトに戻り、真面目に読書とメモを続け、知恵の基礎作りに励んだ。博識という基礎がなければ、知恵という言葉は空虚なものに過ぎず、先見の明を持とうとするのは夢物語でしかない。

鈴木希は女の子ではあるが、わがままで騒々しいものの、大きな志を持っている。将来は大きな事を成し遂げ、歴史に名を残すことを目指しているのは明らかだ。賢者に倣うべしという言葉通り、北原秀次もその志を見習いたいと思い、彼女に負けたくないので、今は灯油を使い果たすまで勉強するしかない。

どれだけ汗を流し、どれだけの穀物を収穫し、どれだけ食べるか、人生とはそういうものだ!

彼は集中力を保ち、左右の脳を計画的に使い分けて、脳が休息を求めて抗議するのを防いだ。理科の問題を解いて論理的思考力を全開にし、また文学や歴史の本を読んで、文章の行間に隠された意味を味わう。なぜそう言ったのか?なぜそうしたのか?当時の時代背景が彼にそうせざるを得なかったのか、それとも彼自身が常識を打ち破る勇気を持っていたのか?

彼は一気に二時過ぎまで勉強し、やっと目の端を擦って少し眠気を感じた。しかし時計を見て、あと30分頑張ることにした。どうせ体はまだ持ちこたえられるし、睡眠は3、4時間あれば十分で、車の中でも少し目を閉じることができる。

人は自分に厳しくなければならない。自分に厳しくできなければ、他人にも厳しくできない。強者になりたければ、まず自分を死ぬほど追い込まなければならない。

人生で最も悲しいことは、他人に厳しくならなければならない時に、自分にその資格がないと気付き、ただ黙って耐えるしかないことだろう。