第241章 私に夜襲をかけるなんて?

福沢家で普段から台所用品を触る人は春菜一人だけで、他の人は食事をするのは上手いが、料理は一人も役に立たず、普段から自ら台所に入ることはなかった。

春菜はまず否定し、冬美が来て見てみたが、何も変わったところは見当たらず、むしろ整然としていて、不思議そうに尋ねた。「どうしたの?」

北原秀次は台所に入って注意深く見回し、確認して言った。「昼間誰かが入って、台所の物を探っていったようだ。」

地震で鍋が傾いたとしても、ナイフまで位置が入れ替わるはずがない。そんな器用な地震があるわけがない。おそらく物を探していた人は慎重に行動したつもりだったが、誰かが何百日も同じように全ての物を決まった位置に置き続けることができるとは思わなかったのだろう。

冬美は驚いて、すぐに階段を上って走っていった。まず母さんの仏壇を確認し、無事だったことを確認して大きく息をついた。そして隠してあった現金、銀行カード、家と土地の権利書、そして父の私印を取り出して確認したが、問題なかった。その後、場所を変えて隠し直してから、また階下に降りた。

しかし、一見問題なさそうに見えても、北原秀次のような控えめな性格の人が嘘をつくとは思えなかった。彼が言うからには、九割以上の確信があるはずだ。彼女は台所で食材が誰かに手を加えられていないか確認している北原秀次のところに行き、小声で尋ねた。「あの二人かしら?」

自分の家に入って探し回り、できるだけ乱さないように気を付け、財物にも手を付けていない。単に何かを探しているだけだとすれば、福泽直炳父子以外に、そんなことをする人はいないだろう。

北原秀次もそう考えており、軽くうなずいた。福沢家の金窝は魅力的に見えるらしい。しかもあの父子は分け前が欲しいだけではなく、全てを自分のものにしようとしているようだ。

彼らの欲望は更に増していた。

冬美は完全に落ち込んでしまった。彼女は三日近く探し回ったが何も見つからず、親戚までが家に来て探し回っている。これは...昼間は家族全員が学校に行っていて誰もいない。自分たちが家にいない間に、他人が家の中をうろうろして、あちこち探し回っていると考えると、突然背筋が凍る思いがした。

彼女は躊躇いながら尋ねた。「警察に通報した方がいい?」

北原秀次は首を振って言った。「無駄だ。」