第128章 月刀宗はどこだ?

蘇氏阿十六は怪我を負っており、遠ざかっていく煙の玉と一匹の犬、そして大叔を追いかけることができなかった。彼女は歯を食いしばり、宋書航の携帯電話で再び阿七に電話をかけた——早く出て、阿七!

空では、安知魔君が変化した煙の玉が京巴妖犬に追いかけられていた。この妖犬は来歴不明だが、実力は非常に高かった。

安知魔君は憂鬱だった。自分は何も仕掛けていないのに、この京巴妖犬は一目見るなり突然襲いかかってきたのだ。

安知魔君は先ほど一度対峙したが、互角の戦いだった。

彼は全力を尽くしても、この妖犬を倒すには数日に及ぶ長期戦が必要だと見積もった。さらに、犬妖が隠し持っている切り札があるかもしれない。

今は重要な用事があり、妖犬と戦っている暇などない。

勝てないなら、逃げればいい。そう考えた安知魔君は遁走の速度を上げ、妖犬との距離を広げようとした。