黄山真君は早速宋書航に電話をかけたが、心地よい着信音が三回繰り返された後に——「申し訳ございません。ただいま電話に出ることができません。後ほどおかけ直しください!」
黄山真君は仕方なく電話を切った。「書航小友は何をしているのだろうか?どうして電話に出ないのだろう?」
この時、宋書航は霊鬼との契約に忙しかった。携帯電話はマナーモードにしていたので、当然電話に出られるはずもなかった。
「そうだ、千里伝音を試してみようか?」黄山真君は心の中で思った。
しかしすぐに首を振った。確かに宋書航は「千里伝音笛」を持っているが、彼の実力不足のため、二人の会話は一方通行で、聞くことはできても話すことはできない。
もし白尊者が宋書航の傍にいて会話の内容を聞いてしまったら、気まずい状況になってしまうだろう。
それなら後で試してみよう。ちょうど明日、最初の注文分の車を江南の駐車場に配送する予定だし、その時に書航小友に白尊者の追憶を話そう!
黄山真君はそう考えた。
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一方、子の刻が過ぎないうちに、白尊者は「五行契霊壇」陣法を再び設置した。
今回は「鬼竜の唾」を使用しなかった。霊鬼は既に封魂氷珠から脱出していたため、鬼竜の唾は必要なかったのだ。
五行契霊壇を設置した後、白尊者は拳ほどの大きさの霊鬼を「五行契霊壇」の中央に直接置き、封印陣形さえ使用しなかった。
霊鬼は不安そうに身をよじったが、すぐにおとなしく元の場所に留まった。既に動くことすらできないほど衰弱していた——そして、動けたとしても、動く勇気すらなかった!
「書航、これから前半の「五劫」の手順は飛ばして、直接陣法を起動して契約を結ぶぞ」と白尊者は注意を促した。
今、霊鬼は極度に衰弱しており、「級別」も一時的に下がっているため、あの金色の小盾すら使用できない。このままでは、五劫どころか、第一の「金劫」だけでも命を落としかねない。
宋書航は頷き、呪文を唱えながら陣法の周りを一周し、両手を陣法に置いて「五行契霊壇」を起動させた。
起動後、前半の手順を飛ばし、直接「五行契霊壇」の陣法の力を発動させ、「契約」の力を霊鬼へと送った。
霊鬼は微かに震えたが、今回は抵抗せずに素直に霊鬼契約を受け入れた。あまりにも衰弱していたため、何か補給を得られなければ、消滅の危機に瀕していたのだ。