もし順調に進めば、自分の出番となり、羅信町の村を覆う邪気を追い払い、壇主の部下たちを倒して、この地に平穏を取り戻すことができるだろうか?
宋書航は頭上に広がる大量の邪気を見て、密かにため息をついた。
結局のところ、彼はただの一品二窍境界の小修士に過ぎず、仏教や道門の鬼退治や邪気を払う経文を修練したことはなかった。
確かに彼は強力な「破邪符」を八枚持っているが、「破邪符」の効果範囲には限りがある。たとえ全ての破邪符を一度に使用したとしても、村の上空の邪気を全て払うことはできないだろう。
だから、良い刃物は刃先に使うべきだ。羅信行町の村に平穏を取り戻すには、邪気の源を断ち切り、壇主の部下を見つけて倒すのが最善だ。八枚の「破邪符」は壇主の部下との戦いに使うべきだ。
幽霊を操る黒幕が倒されれば、日差しが差すころには、この地の邪気は自然と消えるはずだ。
まあ、こんなに考えても無駄なことだ——敵の居場所すら分からない宋書航には、敵が現れるのを静かに待ち、その実力を見極めるしかない。
敵が弱ければ——やる!
敵が強くても——やるしかない!彼は掌心雷、剣符、甲符、古銅指輪、使い捨ての飛剣、そして豆豆の犬の毛を一本持っている。これらを使えば、自分より強い相手を何人か倒すことは十分可能だ!
それでもダメなら……少なくとも「万里飛遁術」があるから、一気に白先輩の元まで飛んでいける。そうすれば何があっても、白先輩が後ろ盾になってくれる。
考えているうちに、土波の祖父は書航たち三人を家の中へ案内した。
「みんな中へどうぞ。この数日で山桃を摘んできたんだが、とても甘いよ」
土波の祖母はすでに豪華な食事を用意していた。これは宋書航たち三人の歓迎の意味も込められており、三人は運転で来る途中、食事もとっていなかったのだ。
……
……
「おじいちゃん、一昨日電話で村で不思議なことが起きたって言ってたけど、何があったの?」食事中、土波は尋ねた。やはり祖父のことが心配だった。
祖父は心の中でため息をつきながら、あの神秘的な少女はいないものの、土波がこの話題を出したからには、もう心の中に留めておく必要はないと思った。「村で最近起きた不思議なことは何件もあるんだ。まず、君たちが村に入ってきた時の山道を覚えているかい?」
土波は頷いた。電話で祖父から聞いていた。