第204章 この速さ、救いようがないほど速い!

監視画面を通して、雲霧道人が詩興に駆られているのを見た時、宋書航は思わず黄山真君の方をそっと見た。

「黄山大バカ」というこの呼び名は、豆豆が毎日口にしているものだ。しかし豆豆は黄山真君の可愛いペットであり、「黄山大バカ」と呼んでも、真君はただ豆豆がちょっとおバカで可愛らしいと感じるだけだ。

しかし目の前のこの雲霧道人は、中年のおじさんの姿で、少しも可愛くない。彼が詩を詠みながら「黄山大バカ」と呼んでいるが、このあと黄山真君に一撃で殺されたりしないだろうか?

「ふふふ、どうやら私が改良した最新版の『五指山封印法』の威力を味わわせてやる必要があるようだな。今回は老夫が奴を死ぬまで封印してやるぞ!」黄山真君は怒りながら冷笑した。

宋書航は黙って雲霧道人のために三秒間の黙祷を捧げた……