第253章 この葱はなぜ切れないのか?(3更求月票)

宋書航が野菜切り包丁を買いに出かけようと階段を降りていると、宋お母さんが小走りで玄関まで来て、階段にいる書航に声をかけた。「そうだ阿航、帰りに醤油も一本買ってきてくれる?家の醤油も切れちゃったの。」

「はい、わかりました」宋書航は手を振って返事した。

「道中気をつけてね」宋お母さんは最後に一言付け加えて、身を翻して扉を閉めた。

宋書航が遠ざかった後……

元々あった箪笥の上、ある箱の後ろに、また一本の若い葱が現れた!

「ちっちっちっち、愚かな人間め、本当に本妖をもてあそべると思ったのか?笑わせる、本妖はどう言っても三百年以上も修行してきた存在だぞ!本妖を脅すとは!」葱精は得意げに言った。

彼女は宋書航に連れて行かれなかった……宋書航が持って行ったのは、ただのごく普通の若い葱に過ぎなかった。