第268章 一人の私が倒れても、何千何万の私が立ち上がる!

宋書航は吹き飛ばされ、金色の小盾は砕け散り、彼の体は白尊者のいる場所へと落下していった。

白尊者の頭上では、竹簡陣がゆっくりと回転していた。

この特殊な防御陣法は、逆向きの防御——内側を防ぎ外側を防がない、霊蝶島の羽柔子お嬢さんが一手に改造したものだ!そのため、先ほど羽柔子と宋書航の二人は竹簡陣が開いている時でも、白先輩にさまざまなヘアスタイルを試すことができたのだ。

しかし今、竹簡の符文の中の文字がそれぞれ「流れて」いた。それは陣法の力が全力で活性化された状態——つまり、陣法の中の白先輩が大技を繰り出し、竹簡陣が起動されたということだ。

宋書航がベッドの上の位置に入ると……白先輩にぶつかることはなかった。

一瞬のうちに、彼は自分の体がかすかに「界」を通り抜けたような感覚を覚えた——この感覚について、彼はよく知っており、すでに豊富な経験があるため、もう自分が異世界に転移したとは思わなかった。

この感覚に間違いはない、白先輩の「真実の幻影」熱情の砂漠が開かれようとしていた!

宋書航は急いで振り返り後ろを見た……そして、あの覆面の人が追いかけてきて、同じように「竹簡陣」の範囲内に飛び込み、「真実の幻影」の世界に入ってきたのを見た。

宋書航はすぐに安心した。

この覆面の人が入ってこないで、自分の家族に危害を加えることを恐れていたのだ。入ってきたからには、「白馬の青衣の少年」とじっくり遊ぶがいい、白先輩が閉関を終えるまでずっとだ!

その時には……白先輩が閉関を終え、この覆面の人は手のひらの上の猿頭のように、逃げ場はなくなる!

……

……

宋書航は安心して、「熱情の砂漠」の出現を待ち、白馬の青衣の少年との再会を待った。

しかし待てど待てど、砂漠も白馬の青衣の少年も現れなかった。

おかしいな、世界に変化があったのだろうか?

宋書航は確信していた、今自分は「真実の幻影」の中にいると。それはただ単に何かの「界」を通り抜けたからではなく、彼を追ってきた覆面の人も同様に姿を消したからだ。

しかし、砂漠は現れず、そして今の状況も少し奇妙だった。

「あるいは、今の状況がこの「真実の幻影」なのかな、それなら、今回の世界は「透明な世界」なのか?」宋書航はつぶやいた。