「行くぞ!」白尊者は剣の呪文を結び、力を込めて一次性飛剣004を発射した。この一次性飛剣が宋書航のもとへの通路を開けるかどうかにかかっている。もし開けたなら、彼はすぐに遁術で追いかけるつもりだ。
一次性飛剣が発射された瞬間、おそらく剣気縦横が巨大な鯨を驚かせたのだろう。
巨鯨は一声鳴き、その後、一跳びして、その巨大な体が美しく跳ね上がった!
豆豆と小僧は鯨の背から振り落とされた。
この変化は少し突然で、白尊者は口角を引きつらせながら、身を動かして鯨から降り、豆豆と小僧を掴んだ。
そして……偶然なことが起きた。
巨大な鯨が跳躍し、その体が「一次性飛剣004」の上に乗ってしまった。
「シュッ」という音とともに、巨大な鯨は一次性飛剣に乗せられ、宋書航の位置を目指して、あっという間に消えてしまった。
その道中、鯨の悲鳴が聞こえてきた。「モー~~モー……」
もし目の前の光景を擬人化するなら、鯨はきっと「私の声は笑っているけど、涙が溢れている……電話の向こうのあなたは知っているの?」という状態だろう。
白先輩は目を瞬かせ、無意識に手を伸ばして、巨大な鯨に向かって手を振った。
「違う、何を振っているんだ、追いかけないと。」白先輩は呟いた。
そして、彼は豆豆と小僧を掴んだまま、一次性飛剣の後を追って遁術を使った。
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この時、天界島の青銅古殿の中。
「なぜなら、私は兎が大好きだからね」大先輩の当然のような返答が、宋書航の耳に響いていた。
この兎の袋を握りしめ、宋書航は長い間悩んでいた。
最後に、彼は勇気を出して、探るように尋ねた。「先輩、形を変えることはできないのですか?」
彼がそう言うや否や、大先輩の膝の上の兎が目を見開き、赤い目で不満そうに宋書航を見つめた。
「あれ、君は兎の形が好きじゃないのかい?」大先輩は少し驚いた後、拒否はしなかった。「まあ、形を変えるのもいいだろう。どんな形にしたい?ただ、兎以外の動物の形は、私はあまり上手くないんだけどね。」
他の動物の形をうまく扱えない?
宋書航は少し考えてから言った。「先輩、ワニはどんな感じだと思いますか?」